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■ 中毒性日記 2008
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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ここ最近は、もう20度前後の日中気温である。昨日餃子の王将について少し書いたせいで思わず立ち寄った。餃子が出て来て喜び過ぎて、たれの皿をパンツにぶちまけた志賀でございます。餃子たれ男(お)と呼んでくれ。

ゾウビルにあるBeberのノリくんと、その6Fにあるグループ店geminiのマネージャーSくんが深夜に来て、店の事、神戸の事情など色々を話した。ある程度の箱(キャパシティ)を持つクラブやディスコは根付かないと言われる神戸にあって、もう13年になるBeberそして新店gemini(僕も双子座である…)を切り盛りする、一見遊び人、中身も遊び人(遊びをできない男は仕事もできないから誉め言葉)の男達は、実は人の繋がりを重んじていて、こういう時間に話す真剣なそれぞれが心地いい。人は話さないと解らないし、上辺の関係、お付き合いなんてもう辛い。

僕は相変わらず、待ち合わせのメッカ(死語)があるべきだ、賑わいのあるマチにはそういう場所がポイントにある、なんて話をした。そもそも「ゾウビルの前で」と言えば、神戸の人なら大抵は理解できる目印である。地下にはBeberがあるし、一階にはイチローが通う(鳥羽ではない)牛タン専門店もある。何も目印が最先端の商業施設やランドマーク、著名な彫刻家のオブジェである必要もなく、年齢も男女も関係がなく人が集い、その時間(大抵はちょうどの時間)になると入れ替わる動きのある場所は、意図的につくられるものでもない場合が多い。

例えば僕の出身、京都なら四条河原町阪急百貨店が解りやすかった。線路が地下に潜ってしまってからは何となく寂しい、京阪三条の高山彦久郎の土下座像もよく利用した。携帯電話などない時代だから、そういった場所が頼りで、待ち合わせの相手を恨みながら時計に何度も目をやる人がいたり、謝りながら女性に駆け寄る男性の姿など色々を見た。おそらくは同窓生なのだろう。老いてはいても、仲間との再会に歓喜の声が若々しく聞こえる場面も見られたりする。遅い夕方ともなれば男性との同伴を待つ夜に働く女性がいたり、学生の姿も多くなる。待ち合わせのメッカは、そうやってマチの活気、息吹、動きや繋がりを形成していた。

思えば僕は学生の頃、時間があればそんな場所で時間を潰す事があった。定点観測じゃないけれど、そんな人々の姿を眺めるのがとても楽しかった。駅や空港にも近い話だが、待ち合わせの場はもっと、例えると変だが平等性があった様に思う。老若男女、人種、貧富に関わらず開放されている。だから、若い人を意識するとか、時代の先端複合施設なんていうものの待ち合わせには、風情や趣を感じられない。

それもこれも、携帯電話普及の功罪である。目的の場所周辺で、着いたら連絡を取り合うという事に人は慣れ切ってしまった。だから、極稀に電波の届かない場所での待ち合わせは何だかドキドキするし、相手はちゃんと来てくれるか不安になったりもする。遅れそうになる時には、一本の便利な電話よりも、少しでも早く辿り着こうと足早になった。現代利器は、人間をルーズな怠け者にしてしまった。

ずっと前から言っている事だが、デザイン都市を宣言している神戸の一郭に「携帯電話電波の届かない地区」を意図的につくってみてはどうかと思う。コンサート会場や映画館への導入は無論だが、旧居留地であったり、異人館街であったり、中華街だったり、思い切って三宮全域だったり。人は知識を詰め込む事ができるけど、知恵や自分の中から出る言葉を多く持つ人は少ないモノだ。不便さから来る知恵を、そういった国や行政も絡めたチカラ技で思い出させてみる。それだけで、神戸は他の都市との差別化ができるのではないかと思っている。何も、新しく足すばかりが得策ではない。時代に抗う、「引く」事も必要なのではないか。

誰かが誰かを待っている。そこで、顔の見えるコミュニケートが生まれて心が通い合えば、人を待つ事や待たせる事も人生であり、人間模様であると思い出すのだろう。それは、顔も見た事のない他人との交信よりも、微笑ましく安堵できる。


※今日のヒトコト
阪急三宮のモニター前って、震災後になくなったのか?

※志賀氏的伝言板
20日(金)春分の日、21日(土)開いてます


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