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木曜日夜には予報通り雨が降り、夜中なのに白く曇った空は明るく不思議な感じだった。今降ってはいけない場所と降って欲しいと願う場所が、この日本にもある。自然とは時に皮肉で、時に非情である。思わず外に出て見上げた夜だった。
この日は19時少し前に、念願のドーナツを手に入れにトアロードに向かった。フロレスタは奈良に本店を持つ今や行列のできるドーナツ店で、フランチャイズ1号店である神戸は過日にオープンし、ここも連日賑わっている。先頃その経営者に出会う事により、とても楽しみにしていたものだった。
噂では聞いていた。身体に優しい素材にこだわり添加物を極力使用せず、子供にも大人にも安心して勧められる素朴なドーナツらしい。買ってまで甘いモノを食べない僕からすれば(酔った時になぜか買ってしまうアイスモナカは、幼少期映画館で食べたソレのトラウマである いつもその勢いで食べて後悔するのだ)、知人が経営しているという事と、その周りの人の評判がなければ足を運ばなかったと思う。そもそも、ドーナツというものの存在は、僕の生活にはほとんど存在しない。だから、軽い気持ちで向かった事は否めない。
正直、少々驚いた。懐かしいと言えば陳腐な表現だが、自宅で親がつくった「あきらかに店の物とは違う」ドーナツになぜか後味が似ていた。Mスタードーナツのオペレーション化した全国チェーン(これはこれで、フードコートレギュラーで凄い)や、CリスピーCリームといった、如何にもアメリカの甘い砂糖菓子テイスト(「がんばれベアーズ」でキャッチャーのエンゲルバーグが、右にチョコクランチバー、左にドーナツを持ってずっと食べているイメージ)とは違っていた。
MスターもCリスピーも需要がある分、それらは成功例である。ただ、どこかシステマティックにつくられるイメージがあり、多店舗展開しないことが行列を生んでいるような印象(?)の後者には、僕は正直そそられないのである。ロウでつくったショーケースのサンプルがあるが、ナンだかあんな風に見えてしまうのだ。手づくりの器や氷のカタチがそれぞれ違うように、本当に美味しい物は、洋食でも寿司でも酒であったとしても、サンプルで表現できるはずなどない。
つくり置きを長時間しない。ゴミを抑える簡易な包装。地球環境やアレルギーに配慮した洗剤使用など「ネイチャードーナツ」に相応しい取り組みも、ドーナツそのもの同様確かに派手さはない。ただ、実は野菜も果物も不揃いで、見栄えがそのまま味に反映されるとも限らない事を誰もが解っているはずだ。しかしいつの頃からか、広くあまねく認知度を上げるようパブリシティに頼る食文化でもある。
ネイチャーとは「自然」の他に『本質』という意味がある。
それはサンプルや鎧のような表面にはなく、その名の通り中身にあるものだ。
※今日のヒトコト
【夜中にいつもの中華に行ったら、酔った勢いで無銭飲食しそうに出て行った「やんちゃそうな」若い男二人がいた 思わず外に出て支払いを促すと、正気に戻ったように何度も頭を下げてお金を置いて帰って行った 店の中国人息子19歳が「コレ、モッテイッテクダサイ、ドゾドゾ」とお手製の店には出さない点心、肉まんをくれた 手づくりって、ナンとも言えない旨さがあるよな 】
※志賀氏的伝言板
【ドーナツのお店はこちらで >>> 「 フロレスタ・ネイチャードーナツ 」 】
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