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■ 中毒性日記 2008
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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金曜日の始まりは不快で、予定も何もかもが始まらない状況だった。まぁそんな日もあると開き直るのも、僕が今までの経験の中に培って来た訳だからそれはそれで一日はしっかり生きる。ちなみに、何年前かに流行ったチェーンメールが、どうやらまた世間に出回っている様である。「RHマイナスの血液が足りません!」というヤツ。この日3件あった。良心につけ込んだ悪質なモノだが、まぁそれが広まっているのは平和な国だと言える。確かな特定できる情報ならば、情報通信はSNSも含めて役に立つ。「流されず見極める事」特に今の時代に必要なキーワードだ。

「レザボア・ドッグス」のスペシャルエディション2枚組がAmazonから届く。その特典映像を同じ画面に立ち上げて書いている。携帯からでも注文ができ数日後に手元に届き、こんな風に映像を観ながら色々できる。作った本人が想像し得ないシチュエーションで、この作品の記憶を辿っている。僕の大好きな映画である。

1992年に作られた作品だが、僕が観たのはその翌年、93年だったと思う。場所はハーバーランドのオーガスタプラザ(現プロミナ)9Fにあった、今はシネ・カノン、昔アート系のabシネマだった。95年の震災でそれぞれ商業施設も人の環境も変わったが、深作欣二やマーティン・スコセッシへのオマージュ溢れる男の世界に、ブルースブラザーズ以来に印象的なブラックスーツを鮮明に覚えてる。

特典映像を観て色々解った。90万ドルの予算ゆえに、それぞれの私服、車など持ち込みだったらしい。店に当時のパンフを置いているのだが、その中には書かれていない事が満載だった。最初に出演を依頼したという、既に俳優としての地位を築いていたハーヴェイ・カイテルが、渡航費や制作費の一部を持っているのは有名な話だ。Mr.オレンジ役のティム・ロスは英国の役者で訛りを矯正するのが大変だったとか、Mr.ブルー役エディ・バンカーが、ジョンボイト主演の「暴走機関車('86米)」(黒澤明が書いた脚本が元だった)で脚本に力を貸していて、タランティーノも好きな映画だった事から出演に結びついた様だ(推薦者が同じくレザボア出演のクリス・ペン)。あの作品は僕にとっても好きな映画だったから驚いた。皆、最近のインタビューだけに、僕も同じ様に懐古しながら観られて面白い。

タランティーノは「タクシードライバー」や「キャリー」「ジョーズ」の共通項を挙げて、本作品の緊迫感の中にある笑いを語っている。これは桂枝雀の言う「緊張と緩和」に近い話でもあり、可笑しさの表裏に哀しみが溢れている事を揶揄している。強盗役全員が今時まずない黒ずくめのスーツなのにも理由があって、目撃情報が分かりやすい服装だけは覚えていても個人を特定できる要素に至らないという、実はリアリティ、心理を元に作り込まれている。音楽がいい。マゾヒスティックな拷問シーン、Mr.ブロンドのマイケル・マドセンがいい。ショーン・ペンの実弟、クリス・ペンも、自前のナイキウェアでいい味を出している。

この作品をただのバイオレンスと位置づけて語る人も多いが、僕にとってはそれは全く違うものに映る。2002年香港映画「インファナルアフェア」にも共通する、敵味方にこそ現れる仁義の中にある、分かっていても引き金を弾けない男の情めいたものがプンプン匂って来る。それは、イッた男の認めざるを得ない領域だ。

僕はラグビーという合法的なスポーツの中で、ほんの少しだけそんな部分が解るのかも知れない。プライベートに於いても、拳銃は突き付けられた事はなくても、それに近い紙一重の体験もある。経験の多さが全てだとは思わない。しかし、闘った分だけ、男と認められる素養を持つものなのだと経験から思っている。

自らをレザボア・ドッグス、吐きだめの犬達と表したヤツらを観て、どうせ映画の世界だと思うか、そうでなく他人事だと思えないかで言えば、僕は後者の方である。あの滑稽なほどに人間臭く、大胆であり臆病な男達に、僕はいつも涙する。

そういう部分で言えば、僕は大層男好きである。


※今日のヒトコト
先日、天津甘栗に躊躇した

※志賀氏的伝言板
3/24(日)またNGKへ川畑クンの新喜劇! 中條氏も出るよ!


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