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木曜昼に、自宅マンション外を歩いていると、上階から明らかに小学生女子の「お兄さぁ～ん！」という声がした。辺りを見ると僕くらいしか歩いていない。確かにマンションの小学生からは「志賀さん」とは呼ばれても「オジさん」とは言われたことがない。しかし一瞬で自分の小学生時代を思い出した。「お姉さぁ～ん！」と呼んで、振り返ったオバちゃんに「アホが見ぃるぅ～、ブタのケぇツぅ～」と言ったあの頃を。僕は振り返るのを止めた。
昔の日記で、オジさんかそうでないかは「トイレの便座を下ろさないで座ってしまいそのままスポッとハマってしまったらオジさんだ」と書いたことがある。近頃は自転車に乗るので、大腿四頭筋が戻ってきたお陰で、高飛び込みのようにスポッとVの字にハマったりはしない。店の近くの中華屋の息子も、18歳のくせに「若い人は食べないと」と僕を若者呼ばわりする。そう考えてみれば、あのマンションの女子達は、「お兄さぁ～ん、そこのボール取ってぇ～」だったのかも知れない。
僕は振り返り、落ちているバレーボールを拾う。3階までは少し距離があるが、僕はハンドボール投げの要領で、軽く彼女達に投げてやる。驚きながらも数人の女子小学生は「ありがとうございます！」と、周りにはいない「お父さん」の匂いのしない男性に、男を感じるのだ。所謂「芽生え」というやつだ。
その光景を、1階ロビーで生協の集まりの延長に井戸端会議をしている、主婦の数人が見ていた。年の頃は30歳そこそこ。このファミリーマンションに越してきて数年、子供は小学生でそれなりに手は離れ、こうして主婦仲間が集まり、近所の情報や噂話に花が咲かせるくらいしか楽しみがない。やはり周りにはいない「家庭」の匂いのしない男に、少しばかりの甘酸っぱい心を隠せないでいる。
「あら、○○さんの奥さんったら……」
まだ私たちも、捨てたもんじゃないのよ。旦那が接待だ付き合いだって飲んだくれているのも、ホントのところは何してるか解ったもんじゃないわよ。
そう、私達だって。私達だってだってってってて……。（エコー）
その全ての想像の裏を返してみれば、ファミリーマンションに住んでる変な独り者を、怪訝そうな目で見ているのだという風にも取れる。多分そうだ。
しかし若さを保つ秘訣があるのだとすれば、
勘違い甚だしい「妄想」「思い込み」も、その要素だと思う。
※今日のヒトコト
【たかじんプロデュースで、MBSの八木ちゃん結婚するって今日初めて知った 知り合い結婚ラッシュかぁ トホホ…… 】
※志賀氏的伝言板
【 17日（土）臨時休業します （深夜から開ける場合アリ お電話を）】
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