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■ 中毒性日記 2006
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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月末の木曜日。DTPから、依頼していたスナックのライターが上がったと連絡があった。東門のこのスナックの名刺やコースター、周年案内状を担当してもう5年以上になる。近頃、街の建築物、公共施設のパッケージ、メーカーのSPなどの仕事をやらせてもらっているが、僕の原点はいつもココ、三宮にある。

ライターの入った段ボール箱を抱えて、新しくなった5階建てのにしむら珈琲前で信号待ちしてフト見ると、窓際の席に知人の男性がいた。今から街に繰り出すのだろう。この店の1階19時前後は、店で働く女性との同伴出勤待ち合わせがとても多くなる。大概男性が先に待っていて、わざとか「遅れてごめんなさ〜い」と巻き髪と夜のメイクばっしばしの女性が入ってくる姿が多く見られる。この時間は、少しヤバイ系のおっさん連中の密談にも使われるし(そういう時には、必ず黒か白の高級車が前の路上に停まってる)、「ちよっとぉ〜、相談あんねん」と、夜の女性同士の四方山話(死語)になるテーブルもある。

その四方山女席が奥に見えた。今から、どこかの店で同伴食事の待ち合わせをしている二人なのだろう。いきなり、その席で化粧をし始めてる。他の知人もいるかも知れないこんな喫茶で堂々と、彼女達は夜の街に羽ばたく前に顔を塗りたくっている。本当のプロは、人知れず孵化するモノだ。夢がない。

街にプロフェッショナルが少なくなっている。翻って言えば、プロのいない街には活気とけじめがない。飲食に於けるプロとは、腕があるとか知識が豊富だとかではなくて(それも少しはあってもいいが)、「現実に引き戻さない」「家にいる味・時間とは違う」場所を供する人のことを言う。けじめとは、夢やドラマがそこにあるのかも知れない別世界と、日々の現実の往来である。

余談だが、昨今の店事情として「個室で食べる」ということがナンだか恥ずかしく思うようになった。他のお客様が行き交う同じフロアで、家では味わえないモノを感じる時間。それが、閉ざされた個室にいては、高級マンションの誰かの家に招かれた食事会のようで辛いのだ。「食事(飲み)に行く」特別感は、個室に於けるVIP感ではなく、家では見られない人々の笑顔や、時折入ってくるBGMにも近い他人の会話、その声から生まれたりするものである。

僕等で言えば学生時代のディスコ全盛期、VIPルームというものがあった。アレの上手いところは、外からなんとなく見えるようにしていたところだ。優越感もある。いつかはあそこに、という見る側の憧憬もあった。やりすぎの感はあったにしても、非日常的はアリだった。そういうモノではない現代の個室は、家で食べているのと変わらない不思議な感覚がある。時代は移り、密会を予感させる奥座敷的な「個室」より、食材を見て選ぶことができたり、その調理をする姿を見られる「寿司カウンター」的な方向に戻っている感じもする。

僕がバーにいるのは、そういった対面商売に倣った「顔の見える関係」が好きだからだ。そして家にいるのとは違う、酒と時間を提供する場所が好きなのだ。


※今日のヒトコト
【個室のある店を探さないといけない 有名人は辛いと思う


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