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金曜日、まだ寒い。3月はこんな気候だったっけ？と、多分毎年思っている。
昼間、ハーバーランドからポートタワーに抜ける途中にある、倉庫街に行った。遊休地のそこを、NPO法人と神戸市で、クリエイター達の貸しブースにしているイベント会場「TEN×TEN（100人のクリエイターが集結らしい）」が目的だ。そこで出店している、革製品アクセサリーショップ代表に会いに行くためである。
彼は、中途半端な技術で「アクセサリー屋やってます」的な人ではなく、長田に父親の営む裁断工場にいる職人である。親父さんの跡継ぎとして、日々修行の最中である。その会社のロゴマーク（>>> 東洋裁断HP左上 ）を担当したのが切っ掛けで、今も仲良くしてもらっている。東京への修行の模様も見せてもらったし、一見どれも同じように見える革加工製品の裁断に、職人の違いが出ると聞いた。工場ではパーツの一つだった革製品に、息を吹き込む別ブランド（2wister）を弟さんと立ち上げて、賃料の安いそこに出店している。
以前、昨年の夏まであった、神戸海洋博物館に於ける若手クリエイター期間イベント「衣・食・自由」でも同じ印象を持った。そこに、そんなことをやっている人々がいることを街に知らされていないのだ。少なくとも僕の周りで詳しく知っている人はいない。それは、市やNPOの関係で広告宣伝予算がないからという理由だけではない。JVの何たるかを、履き違えているのだ。
JV、ジョイントベンチャーとは共同企業体を意味する、建築業界に主に使われる言葉だが、双方のメリットを持ち合えば投機的に成功する可能性を秘めている。このイベントの場合、神戸にある遊休地と資本に厚くない人々の出店（出展）をジョイントするという意味では、とてもいい試みだと思う。しかしながらこの日に行って感じたことは、周辺施設やそこまでの導線・流れまでは取り込んでいないということだ。せっかく意気込んでその場所をリノベートしても、いいモノを作ったはいいが、マーケティングができていない飲食店のようである。
その海側には、モデルハウス展示場やハーバーランドがある。家族や観光客も来るだろう。相互のメリットを考えれば、周辺施設にこそアプローチ（JV）すべきだ。その部分は、もったいないと思う。
そういう街のイベントを見る度に、もっと大きく捉えた発想はないモノかと思ってしまう。それも神戸でこれも神戸だという認識であれば、全ての窓口は同じにするべきだ。パブリシティも、全て発信元「神戸の目」を通す。クリエイターと言えば「今風」だが、所謂職人には、口下手な人が多い。しかしそれをよいことに、彼等のヒヤリングもせず、想いを伝えないプロデューサーではダメなのだ。
いつも書いているが、神戸の土壌は、幾つもの地方都市の中、とてもいい環境があるはずなのだ。そして、けして神戸の人が冷ややかなのではない。
まとめる人間がいないだけなのだ。ジョイントするだけで満足する人はいても、そこから拡がることを見届ける人間がいないのだ。
それは行政とは違う場所に存在すると思ってる。
※今日のヒトコト
【夜の店で「腹が減った」と言うと、お客様が「さっき買ったけど食べなかったから」と、マックチキンナゲットをくれた 懐かしい、マスタードソースもある 「そのパッケージ、鶏のオリンピックのデザインでしょ」とお客様が言うので、チキンの競技会でもあるのかと思ったら トリノだった…… 紛らわしいが、ホントにそう思った 多分、鳥のオリンピックは、ダチョウが本命だ】
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