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※今日のヒトコト
【12/30トミーから発売の、レイザーラモンHGをキャラクターにしたゲームは、同性愛者の団体に訴えられてるそうだ 買っといたらプレミア付くかもね ちなみにゲーム名は 「黒ひゲイ危機一髪」 ……発売が危機一髪だ】
水曜日、夜には雷が鳴っていた。雨から雪に変わるらしい。
鼻の頭のBB弾痕は癒えて、打ち合わせの終わったあと西元町の高架下を歩く。聞いていた通りのエアガンショップがあった。僕はマニアではないが、男だったら少しはワクワクする場所である。「知り合いにプレゼントしたいのですが」と自分が欲しいと言えないところに根性がないが、電動ガンとガスガンの違いなど丁寧に教えてくれる。「一番いいのは、その方をここに連れてきてくだされば……」と言うが、タケや勝野を連れてきたら、店の人は「少々お待ちください」と、裏から新聞紙に包んだ本物のデザートイーグルでも出してきそうだ。
とにかく、ゴーグル＆マスクだけは手に入れた。これで鼻は何とかなる。いくつかのカタログをくれたので、僕はサンタを待つ子供のように、浮かれた気分で元町をあとにした。この時期に色気はないが、男っ気はある。
考えてみれば、BB弾で撃ち合っているヤツらは、週末には試合を控えた現役選手達である。それを不謹慎だと言われそうなものだが、チーム側は何にも言わない。彼らは必ずと言っていいほど試合に出て、高いパフォーマンス（本人達は、まだまだだと必ず言うが）を観せてくれる。「やることをやってるヤツ」には、組織は何にも言わないものである。遊びも本気だからだ。
タケは朝方4時まで飲んでいて、その昼の試合に爆発的なプレーを発揮したのを知っている。勝野が試合中こめかみをカットして血が噴き出したとき、麻酔もせずに縫ってすぐフィールドに出た話も噂ではない。それが特別に思われる話しでも、彼らにとっては至ってシンプルな自分のペースなのである。それは、「やっていない輩」にとやかく言われる筋合いのないものだ。
この時代だから彼らは「変人」に映るが、僕から見ればナンとも普通で、頼りになる男達だ。おそらく彼らは、戦国時代にも戦後間もない昭和にも、タイムマシンかなんかで突然落とし込まれたとしても、何かしら生き残る術を持っているんだと思う。今流行のIT企業の社長や、ニッチ産業の担い手とは縁遠いところにいる。時代の寵児は、今にしか生きられないし、戦えない。
少し前に、アパレル副社長であるラビット吉川が一人で店に来た。翌日には朝早くから会議もあるし、仕上げなければならない仕事がたまってる。「でもね、みんな帰ったあとの会社で色々やってたらね、ナンか全然はかどらなくって」飲みに来たそうだ。デスクに向かう時間が長いほどに作業は上がるが、それが効率が上がるかと言えばそうでもない。酒を飲んだあとか、それとも睡眠を取ったあとか、彼はちゃんとカタチに仕上げるのだろう。それがあるから、仕事もできる。「やることをやってるヤツ」がここにもいた。
力だけではない圧倒的な存在感と、歳を経ねばそうならない独自性を持った格好いい大人が増えたら、カッコワルイ若者も、もしかすると猟奇的な犯罪も不可思議な事件も減るのかも知れない。雑誌や小説から抜け出したマニュアルばかりでは、格好ばかりで格好良くはなれない。
本当に悪いことや痛いことを知らないと、チョイ不良（ワル）オヤジを目指すのは、ただのオヤジだ。本物は自分だけのスタイルを持っている。
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