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※志賀速報！【12/20〜大晦日 まで、休まずやる予定】
金曜日、真っ昼間から青木という芦屋に近い場所にいた。
そこで投げ掛けられた新たな指令。
「キッズのキャラクターも仕上げてください」
キッズ？東京キッドブラザーズに柴田恭兵がいたことは知っているが、キッズにはどうも縁がない。子供好きではあるが、昨今のコンピュータゲームには興味がないし、彼らが望む世界を表現するには、僕は知らなさすぎる。
そしてその後、僕は住吉のトイザらスに行った。クリスマスを前にして、たくさんの子供と親達がプレゼントを物色する。おそらくサンタがどうだとかいうことは、今の子供にはもうおとぎ話に近いものなのだろう。サンタクロースが、デジタルのオモチャをくれるわけがない。僕はそう思いたい。
僕らの小さい頃は、中身の解らないカードを欲しいがためにスナック菓子を買った。食べずにカードを集めるわけだ。アタリが出ると、カードホルダーが貰えた。だから小遣いをつぎ込んだ。そしてロボットヒーローやウルトラシリーズは当然等身大ではなく、超合金という重厚感のある本物そっくりのミニチュア版があり、ずっと欲しかった。少々高価なそれは僕らの憧れで、弟は400問中400点満点という快挙で「少年マガジン・初代マジンガーZ博士」として超合金トロフィーを貰ってた。兄の威厳を保つため、羨ましい気持ちを隠していた。
しかし今では、そういったリアルな風貌のヒーローは「フィギュア」と言われ、僕らの世代前後がそのまま大人になって購入するものとなる。僕は特にその世界には興味がないが、キューティハニーのリアル版や村上タカシのフィギュアが高額で取り引きされているオカシナ時代である。飲料に付いているオマケも、小さい頃に買えなかった「大人買い（まとめ買い）」をしてしまう大人だ。
子供の「リアル」はデジタルゲームの中だ。ヒーロー達がCGでそのまま出てくる。だから超合金があってもリアルなカタチではなく、デフォルメされた「キッズキャラクター」となっている。つまり圧縮された身体、2頭身ほどの四肢がデカイ、おおよそヒーローとはかけ離れた物が主流になっている。
しかもそいつらには、本物にはない「目」があったりして、カワイイキャラとして売られている。トイザらスにはガンダムや新旧仮面ライダー・ウルトラシリーズのソフトビニールやプラスティックリアルモデルがあったが、子供は見向きもせずにコンピュータゲームを探す。カワイイキャラは所謂「ガチャガチャ（100〜200円ほどのダイヤル回して何が出るかななヤツ）」にあった。デザイン参考のため、恥ずかしながら僕は挑戦した。
戦利品はよく知らないガンダムと携帯ストラップ。そして唯一置いてあった2頭身キャラクターの、聞いたことがない仮面ライダー3体入りを買う。これも「大人買い」なのか、なぜか意味もなくウルトラセブンのリアルなソフビを買った。松平健のマツケンサンバストラップもあったが、キャッシャーの女の子が「男一人でマツケンサンバ買うか？」と思われるのも癪なので、「ウチの息子のクリスマスプレゼントなんですよぉ」と、さも言わんばかりに精算を済ませた。
子供はいないが、こうやって知らない世界に足を踏み入れることは、特に僕らの仕事には必要なことだ。ナンでも知ってるわけじゃないが、ナンにも知らないんじゃ説得力がない。「キッズのキャラクターも仕上げてください」……知らないからこんな作品しかできなかった……そんな人間に、デザインに携わる資格はない。コンピュータゲームに興じるよりはよっぽど健康的な、子供達が欲しがるキャラクターを作りたい。
サンタが持ってきてくれるようなヤツをね。
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