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■ 中毒性日記 2004
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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土曜の店が終わって、ほとんど寝ないで東に車を走らせる。神戸に土地勘のない方には解りにくいと思うが、僕の家は三宮から西へ30分ほどの塩屋(須磨の近く)、帰ってまた逆方向に行くより早く着いて向こうで寝ようと思ってた。ゆえに、25日の日記は更新できなかった。ちょうど2ヶ月ぶりに毎日日記を休んじゃった。とカワユク言っても、ダメよね。おほほ。

快晴の日曜日、午前7時半に神戸製鋼・灘浜グランドに到着。勿論誰もいるはずもなく……と思ったら見慣れたデカイ図体が車を洗ってる。Steelers石井ちゃんだ。「昨日夜の8時半に寝ちゃったんですよ」お前は赤ちゃんか、と突っ込みそうなことを宣いながら石井ちゃんは、身体に似合わないcubeを洗ってた。「どうしたんですか?野球ですか?」誰がわざわざ神戸製鋼まで来て早朝野球すんねん!子供達を集めてのイベント・>>>ラグビークリニック見学やがな。

「俺も洗おうかな」多分部外者で、神戸製鋼のクラブハウス横で洗車したのは僕くらいだと思う。図々しくもキレイキレイにした。拭き上げを石井ちゃんが手伝ってくれた。15歳も年下だけど、頼んだわけでもないのに。いい子だね。

さてその後、芝生のグランドに入って大の字になった。青空だが気温は20度くらいで過ごしやすい。でもこんなところで眠れるはずもなく、ストレッチをしたりランニングをしていると9時には受付が設置されていた。ちなみに僕は完全武装だった。日本代表のカンタベリーウォームアップスーツ上下、ナイキのスパイク、全て伊藤剛臣のくれた「お古」だ。28.5cmはデカすぎたが。

選手も9人来て、リーダーはエルメスソース裁判被告人・南條賢太。子供達は多分8〜90人はいるのだろう、小学生中心に女の子もいた。学年ごと、経験・未経験に別れて、ラグビーに慣れ親しむ。親御さん達は外から見守っているが、途中参加もあって皆楽しそうだ。芝生はイイ。贅沢で理想的な遊び場だ。

10時から2時間ほど、最初はカタイそれぞれが笑顔に変わっていった。好天も生えそろった芝も、多分変わった形のボールもそうさせる要因だが、普段近くで見たことがない「大きな人」「速い人」と共に過ごす、僕にも記憶がある嬉しさがココにはあった。選手の本来の意はプレイヤーだ。子供はそのままに、神戸製鋼のメンバーはソレを思い出していたのだろう。皆、満面の笑みだった。

整列、あいさつ。すっかり一つになった子供達は記念品をもらい、一斉に選手にサイン責めをする。僕もそんな日があったな。とにかくそこにいる大きな人のサインを全てもらってた。のちに、どこにやったかも分からないそれらであったが、少しの勇気が備わったし誇らしげに持って帰ったものだ。

南條が子供達に人気だ。行列が出来ている。クリニックも彼のリーダーシップが光ってた。ハンダ付けしか出来ない高校出とは思えなかった。彼が子供を集めて何か話してる。たった2時間ソコソコで、彼らは仲間になっている。まだ幼稚園に通うくらいの女の子が、サインをもらったあとスキップして帰るのが見えた。この子は最初、恥ずかしがって走らなかった子だ。

暖かくなった日差しで僕は半袖になっていた。今村友基のadidasチーム練習着を身に着けていた。「行け!」南條の一言で、子供達は僕に駆け寄ってきた。「サインくださ〜い」色紙を持って、僕を追いかけてきた。

「今日はOFFだから、マネージャーを通してくれ」

そう言いながら立ち止まると、ボールチャレンジfor kids運営スタッフの方が「この人は海外で活躍している人だから、簡単にはサインできない」と言ってくれ「えぇ〜!下手でもイイのにぃ〜」とつまんなさそうに子供は帰っていった。危ない危ない、あのまましつこかったら「加納町 志賀」と書きそうだった。

イベントが終了後、神本、竹下、森藤、林、今村、大門とタッチフット(タックルのない練習ラグビー)をやる。学生からの持病・左第五腰椎がグキッとなった。こいつらに着いて行こうと思った僕が甘かった。子供達が20人ばかり寄って来て、大人対子供のタッチフットに再び参加した。子供だましはナンとか通用した。子供は笑ってた。神聖なグランドで彼らのユニフォームを纏い、選手は気付いていなかったけど、かなり僕も子供のように嬉しくはしゃいでた。

最後にみんなで記念写真を撮った。母親は各々にシャッターを押す。いつか出来上がった写真を見て、彼らはその日の思い出を語るのだろう。神戸製鋼のウェアを纏った「大きな人」を、選手名鑑で確認してまた親子で微笑むのだ。

「この人は誰?」

メンバー表に載ってない僕を見つけて子供は言う。親は答える。

「外国に戻ったんだろうねぇ」


※ダジャレー男爵の『出逢い系・純情派』単方向BBS
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