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木曜日。新しいプロジェクトの打合せ。技術者や専門家がつくり出したものの盲点は、その商品に自信を持ち惚れ込むがあまりに、プロモーションが一辺倒になりがちな点である。そうした部分を解消すべく、僕をその中に迎え入れたいと言う。僕は大御所でもセンセイでもない。共に闘わせてもらえれば本望だ。
さて唐突に。幼少期の原体験は、その人格を形成するのに大きく関わってくるわけだが、以前にもどこかで書いたように「大人にならないと行けない場所(もしくは行為)」を知るか知らないかで、その可能性までもが変わってくるものだと僕は思っている。翻って「子供しか行けない場所」を通り続けると、それは優等生の道を歩むことに繋がるかも知れないから、そう悪いものでもない。ただ「創意工夫」「アーティスティックな感性」はそういうところには生まれ難い。
子供というものは往々にして、「これを開けちゃダメ」とか「あそこで遊んではいけません」と言われたことの方をしっかりと覚えているものだ。少なくとも僕はそうだった。親の目を盗んでやったこととか、ちょっと変わった先生とか、なぜか大人になった今でもしっかりと覚えている。昨今は、そう言われた時点で「守る」ことが美徳とされている時代に映る。「破る」というチャレンジは、あまりしないしさせない。その先に何かがあると感じさせることに、積極的ではないのだ。
とは言え、ルールを守り続けた人間には及第点が与えられる。しかしずば抜けて優秀でもなく、かと言ってずば抜けて馬鹿でもない。つまり強烈な個性は、古臭い話をすれば僕らの子供の頃、ガリ勉と言われた牛乳瓶の底のようなメガネの子供と、鼻たれ坊主でとんちんかんだけど、滅法かけっこが速かったり遊びの達人だったりする子が共存していた。こんな死語連発の子供達こそが、子供らしかった。
僕はと言えば、今の昼夜の仕事に役立っている原風景の一つは、大人に内緒で竹やぶにつくった基地だと思う。そこに隠していた「大人にならないと読めない本」の数々が、僕の人格を形成しているといっても過言ではない。
ほぼエロだけど。
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