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店を始めてもうすぐ15年。しつこいが移転することになった。自宅の仕事場で、壁に貼ってある作品や関わったスポーツチームのグッズ、知人のカレンダーなど眺めていたら、ふとある寄稿文が目に入った。神戸コレクションが何だか今ではデカいものになってしまったが、実は2004年の春夏前に、オフィシャルブックのコラムを書いたことがある。まだ「ドクモ」や「アデージョ」がもてはやされる前の話だ。よくもまぁ、こんな文章を世に出してくれたものである。(修正加筆する)
『「神戸はオシャレな街だ」と言う人がいるが、 チャンチャラ(死語)おかしな話である』
京都で生まれたと言うと「いいところですよね」と返される。「アンタ、俺の家見たんか」と思うし「腹でナニ考えてるかわからん」という所謂「ぶぶ漬け理論」や「一見さんお断り説」も神戸に住んでからぶつけられてきた。しかし京都が全て「イイとこ」で、人が全員そんな対応ならば都は機能しない。つまり神戸がみんなお洒落なら、150万人総「魅惑の変身(※1)」である。そんな街は、オシャレならずオサルだ。何が個性かなんて見つかりもしない。
神戸で服を買うことがお洒落だと思うのはとても怖い。神戸製鋼ラグビー部に入って努力をしない選手の様なものである。ブランドを手にして満足すれば、服に着られて、着こなし・振る舞いを知る術もない。
昨年、僕は知人に『KOBE COLLECTION』の招待を受け、ステージ横でカブリツキで観させてもらった。会場にはカワイイ女性が多数いたが、皆同じに見えた。ショー終了後「彼女達、もっと自信を持ったらいいのに」とよく知るモデル(※2)も言っていた。ココに来ることだけが「良し」なのは寂しい。
僕の店では、省略して話す女性に出会うことが極稀にある。「アタシ〜、ヨギパ」…ヨギーというヨーグルトリキュールをパイナップルジュースで割るということだが、どこの部族やお前は!である。正しく心地良い響きの対話は、崩れてきた。
そんな中、省略する言葉が日常会話で成立するケースもある。「パリコレ」はデザイナーやモデルの憧れ、ステイタスを与え続けてきた。公用語となった時をメジャーと言うのだろう。「キムタク(※3)」だって大概変なネーミングなのに、認知されば勝ち(価値)となった。「シンコレ」か「コウコレ」か分らんが「神コレ」と言われると本物になる。
神戸にいて満足するのではなく、イベントに行ってモデルを見たことを思い出にするのでもなく、ソコに転がっている何かを得ると、着られるのではなく「着こなす」人になれる。若い子が芥川賞を取った(※4)のを読まずに拒否すれば、僕もただのオヤジだ。知識で語ってしまう人々が多い今、見てから文句を言いたい。若者も捨てたもんじゃないかも知れない。
もちろん、僕らも捨てられちゃかなわない。
この目で「神コレ」を確かめようと思っている。
【BAR志賀 家主/有限会社志賀敏哉環境デザイン工房 アートディレクター】
神戸コレクションを今では「神コレ(コウコレ)」と呼ぶ人が多い。
僕が最初だと、言っておこう。
※1 関西テレビ土曜昼にやっていた「ノックは無用」での名物コーナー 誰なのかよく分らない大御所デザイナーのスタイリングで、一般視聴者が変身をさせられ最後にステージを歩く マチに出られそうにない奇抜過ぎるファッションであると揶揄された ちなみに横山ノックは、文字通りその後、無用となった
※2 アンミカ(AHN MIKA)ちゃんは、近頃更に雑誌やテレビで活躍する元パリコレモデル 僕の「ダジャレ」や「死語」の弟子でもある
※3 今なら、ヤマピーか(山田ピー子じゃない)、もしくはハマショー(浜田省吾)か、バンジュン(伴淳三郎)か。逆行しとるがな。
※4 2004年、綿矢りさ(当時19歳)「蹴りたい背中」、金原ひとみ(20)「蛇にピアス」で若い世代が芥川賞ダブル同時受賞した
※今日のヒトゴトではないヒトコト&ヒトリゴト&ヒメゴト
【 来週はバースデーウィーク! (昭和39年6月3日生まれ 「サンキュームーミン」と覚えてね ^_-) 特に何もしません】
※志賀氏的伝言板
【 本日日曜、ひとまず休みます Zzz 】
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