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■ 中毒性日記 2009
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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12月に入った火曜日は穏やかな日中。いつものように夜、遅めの電話が入る。ベテランと言われながらも、そう感じさせない現役ラグビー選手からだった。ここ何ヶ月かこういった電話を入れてくるが、大抵は酔いつぶれたのかそれとも野暮用ができたのか、僕の店に辿り着くことはなかった。でもこの日は、「あと12分30秒で着きます!」と訳の解らない言葉を放ち、15分後の午前1時頃にヤツは来た。酔っているが、いつもと変わらない印象だった。

開口一番ヤツは言った。

「今日は、16年社会人でラグビーやって、記念すべき初めての日なんです」

彼は大学で既に日本代表候補にいて、社会人でジャパン入り、ずっと日本のラグビーを引っ張って来た。コンタクトプレーの多い、格闘技に近い球技であるラグビーに於いて、この年齢まで続けることは容易ではない。比較的怪我の少ない選手である彼だが、怪我以外でベンチ入り(先発15名とリザーブ〔補欠〕7名)メンバーに入ることができなかったこの日、12月1日であった。

僕からすれば、16年間ずっと先発かリザーブの選手なんてそういるもんじゃないと驚きの話だった。ラグビーに限らず大抵名選手というものは、引き際を綺麗にするために、そうなる前に現役を退くことが多い。彼のように「メンバーから外された」瞬間に自分の衰えを知り、そのまま引退を考える人もいる。

いつもと同じように彼は明るい酒を飲むが、おそらくショックが大きかったんだと思う。そのまま家に帰るより、マチに出ることを選んだこともそうだ。彼にしては珍しく、春に生まれた自分の娘の写真を見せてくれた。いつもと微妙に違う彼の態度を知りながら、この日だけはヤツの話を色々聞いてやろうと思った。

現役にこだわる。引退なんて考えていない。これからが楽しみでもある。

16年間で初めてのその日から、未知なる領域に足を踏み入れるその男は、強くそう言い放った。僕は熱いものが込み上げて、声に詰まっていた。

僕も励まされているような気がした。

現役でいたいと思った。


※今日のヒトゴトではないヒトコト&ヒトリゴト&ヒメゴト
「志賀さんは、天然記念物みたいな人なんですよ」  ヤツが僕のことをそう表した 他にいない、絶滅させてはならない守られるべきもの…だそうだ】

※志賀氏的伝言板
12/22(火) パーティー開催決定!


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