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午後、暑過ぎる月曜日の大阪にいた。どこかにあるのだと思うが、大阪にはゴミ箱が見当たらない。家庭ゴミを捨てるという不届き者（死語）がいたり、都会にはテロも考えてそういう風にしているところも多いが、それがないということによりマナーが向上するという逆転の発想がある。歩きタバコや飲食はなくなり、ゴミは持ち帰る癖ができる。三宮や元町もそうすればいいと思うが、今のところはところ狭しのコンビニと、テイクアウト店にそれは不可能に近い。もうすぐ三宮でも歩きタバコ禁止条例が施行される。マチづくりとは付け足す事ではなく、引いてみる事も重要だと常日頃思っている。それはデザインに近いものだと思う。
【なぜ、僕が関わるようになったのか？】
さて、今週の日記は、7月13日に旧居留地にオープンする「cafe CARTA」について書いてみる。岩手県遠野市の豊富な食材を持つ神戸の企業が、しっかりと運営する母体である。僕が関わっているのは、このカフェのロゴや販促物全般とデザインの監修。しかし、この話の元々は、実は違うところにあった。
先述通り、岩手県遠野市にはその土壌から美味しい農産物が多い。農家の人々、所謂職人からすれば、営業力に乏しいケースは多々ある訳だが、それら農産物のパッケージデザインの依頼がまずあった。それは、今回の色々をプロデュースする男、カミーノからだった。いつか書いたように、大阪南船場や神戸磯上の先駆者であり、自らも幾つかの飲食店経営、そして店に立ち料理もしバリスタとして腕も振るう。彼の事は >>> 6/29の日記「頼りになるのはそんな大人」 で書いたので割愛するが、共に何かを創る事は初めてであり、少々懸念もあった。
その一つは、クライアントが直接的ではなくカミーノからである事、もう一つは、ビジネスが絡んだ時の今の友人関係が崩れるかも知れないというものだった。前者は、広告代理店からの依頼に近い。信頼関係の成立する代理店担当でないと、基本的には受けないようにしている。後者に関しても、金銭面のトラブルが招くギクシャクした結果のケースを、他人に何度も見てきている。だから、クライアントと会い、その指針や想い、背景をどれだけ好きになれるか、何よりもそこに関わる人々が愛すべき人なのかどうかなどとイマドキ浪花節的に考えてから、色々を受けようと思っていた。最後に、東北六県すらスラスラスラ出て来ない僕が、ましてや岩手の特産物も知らないこの僕が、はたしてどんなデザインを生み出せるのかという懸念もあった。青森のりんご、秋田きりたんぽ、山形のさくらんぼ、宮城仙台の牛タン…、福島と岩手に関しては無知に等しかった。
偶然というものは時として、判断材料となるものだ。カミーノからオファーがあった時に聞いたその会社には、僕が父親のように慕っている方が相談役でいたので、数回訪ねた事があったのだ。そして今回のカフェ事業の担当が高校ラグビー経験者で、僕の大学の「後輩の後輩」である事が分かった。それだけで少々恐れられたりした（？）が、ラグビーをやっていた人に悪いヤツはいない（あんなに辛く痛い練習を経験したという共通項がある）と単純に思わせるところに安心した。岩手遠野の農業事業責任者である男性も同世代で、オヤジギャグが絶えず出て来るところが、ダジャレー男爵の僕としては惹かれた（引かれた？）部分でもあった。気が付くとこの人々の中で、僕のデザインがカタチになる姿を見たくなっていた。
今年2月、気持ちは固まっていた。
そこからイメージの加速する時間は、そう掛からなかった。
※今日のヒトコト
【岩手遠野市豆知識その1 柳田国男（1962年没）の「遠野物語」は少々恐い しかし、出身地が兵庫県だという事に、縁を感じたのだった… 】
※志賀氏的伝言板
【 7月13日（日）午前11時オープン！『cafe CARTA（カルタ）』（旧居留地東の京町筋67番地 ジル・スチュワートのあるOTCビル2階）TEL 078-391-8900 志賀、その日の昼からラストまでいます（^_-）】
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