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結婚もしていないのに、いきなり子供を授かったというものではない。
思い起こせば幼少の頃、金魚、カブトムシ、クワガタ、カナブン、鈴虫、ミドリ亀と如何にも子供染みていて、ペットらしきペットはペットボトルくらいしか思い付かない。生家以外はずっと今でもペットを飼ってはいけないマンションなので、犬も猫も、フェレットもマングースもニシキヘビもツチノコも飼った事がない。
犬を飼おうかどうか迷って、ペットショップに見に行った人が「めちゃくちゃ可愛かったぞぉ〜」と話しているのを聞く度に、親バカ、溺愛とはこういうことを言うのだと思っていた。実際、犬や猫が家にいる人々は、それらを飼っていない人に比べて、テンションに大幅なズレがある。「うちの子」扱いである。不思議だった。
誕生日に僕にプレゼントしようと考えていた人が、周りに相談したら「44歳の独り者に、それはあかんのんとちゃう？」と言われて諦めたらしい。後日その話を聞いて、興味を持った。実際に会えると聞いたので行ってきた。
…首ったけ（死語）とは、この事である。
「うちの子」が欲しくなった。
初めてペットを飼う人の気持ちが解ったような気がした。
今、僕は相当迷っている。
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