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■ 中毒性日記 2008
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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日曜。土曜の店で飲んでいた事もあり、そのまま向かいの玉撞き屋で朝まで過ごす。調子が良かったのを見た店員が「今日のハウス、出るつもりですね」ともう何年も出ていないトーナメント戦(ハウストーナメントは各店舗企画の定例試合)へと誘うが、悪いなぁ他をあたってくれよとダウンタウンブギウギバンドの様に、港のヨーコヨコハマヨコスカ(曲もバンド名も長い)調に逃げた。今更試合には出られない。しかしあの経験で得た緊張感は、今も違うカタチで生きている。競い合い悔しがる気持ちがなくなったら、僕は老いてゆくしかない。

その後、少し店で寝ようと思った。昼に、ずっと行きたかった知人のイタリアン店に行こうと思っていたからだ。三宮、神戸はフレンチに比べると影の薄かったイタリアンだったが、トラットリア、バールも含めて今は色々チカラのある店が多くなった。有名店を独立し、僕の店を南に少しの場所に昨年開店。今は雑誌のランキングに常に上位の実力店になった店だ。しかし腹が減った事もあり1時間ほど寝ても起きてしまい、久々に日曜の三宮駅に行く事にした。朝から晴天に、やたらとクシャミと鼻水が出た。新しい花粉の始まりだった。

イマドキの駅カフェで、パンとコーヒーの朝食をとる。意外にも、朝の8時でも働きに出そうな人々が多い印象だったが、たくさんいる若い従業員にはなぜか活気はない。帰りに「ありがとうございました」もないその店に、なぜこの店が流行っているのか解らなくなった。ダメだ。マチの玄関口がこんなんじゃダメだ。

その後店に戻りまた3時間ほど寝た。ランチ予約をして向かうと、訪ねたかったオーナーシェフは大阪にいるという。新しく大阪靱公園でも、料理の監修をする店がオープンするそうだ。インテリアデザインも時代の寵児のものらしく、その他様々なプロが関わるコンセプト店らしい。元々、マチに出る人の数も違う。大阪はよくそういった店をやるが、狭い神戸では受け入れられ難いのだと思う。

料理は美味かった。しかしそれだけじゃもう一度、更にもう一度人はやって来ない。満席で少々バタバタしていて、色んなケアに手が回らない様だ。中(厨房)も外(ホール)の人間も、お客様の「顔」を見ていないのだと思う。暇な時間に仕事を見つけるのは当たり前であり、忙しい時ほどに許されると思っている店は最もいけない。そんな時にこそ、精度を落とさないサービスが必要なのだ。

隣の席の有閑マダム(死語)風貌の3名が、荷物を忘れて店内を出ようとしていた。仕方ないので、僕がお忘れ物ですよと持って行った。店の人間はそれに誰一人として気が付いていなかったのは寂しい。無論、僕へは何も言葉がなかった。

天気もいいのでそこから、北野の街並を裏の小径から歩いてみた。ガーデンウェディングの建物の裏側に出ると、高い塀越しに軽快な音楽と拍手が聞こえてきて、それに迎えられているのであろう新郎新婦が想像できた。異人館街へと繋がる北野通りに出て、観光客と思しき人々が行き交う姿に安心したが、それはすぐに寂しさへと移り変わる。あったはずのアパレルのショップや雑貨店、北野坂の幾つかのカフェやレストランは軒並み姿を消している。「長らくのご愛顧を」という貼り紙を何枚も見た。テナント募集に空いたままの物件も結構あった。

観光地であるはずのこのマチが、寂しく映る受け皿と変わりつつある。いや、既に変わっているのかも知れない。料理評論家でもレストラン批評家でもないこの僕が、そんなグルメ本だけの情報では解らないマチを偉そうに書いている。

でも、これだけは言える。

僕はほぼ毎日このマチにいる。あんな人達より「陰」の部分を憂いでいる。


※今日のヒトコト
「まちづくり」は、自分の足で歩かない人間に任せてはいけない

※志賀氏的伝言板
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