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月曜日の日中はひどい雨、大荒れであった。ブログにはアップした画像、日曜の桜満開の数々ではあったが、この雨で葉桜になりそうである。今年はとても幸運な花見をできた。あれほどピークの桜を目の当たりにした事はない。
京都へは確実に混む南インターチェンジではなく、実家のある山科の東インターで降りて、地元民しか知らない裏道を通りながら実家を目指した。小学校の頃、ミニサイクルと不思議な名前で呼んでいた今で言うママチャリに乗れば、どこまでも行けると思ってた。琵琶湖にも、宇治川にも行った。実際はどこまでも行けた訳ではなく、イージーライダーのハンドルの様に曲げたら坂道を降りる時に折れて、友達の後ろに乗せてもらい家まで引っ張っってもらった事がある。パンクしたまま走り続けたら、スポークがバラバラと取れて、ホイールがいびつになった事もあった。それでも、当時はどこかしらにあった自転車屋で修理をし、「A-306」とマンションの部屋番号をマジックで書かれた自転車は何度も何度も復活を繰り返した。
同じ頃、その自転車でよく遊びに行ったのは、琵琶湖から京都の飲み水を東山蹴上の浄水場へと運ぶ水路、山科疎水だった。まだ戦争の名残、防空壕が幾つもあって、僕らはそれを基地にして遊んだ。20年後にここで会おうと埋めたものが何だったのかも思い出せないが、すぐ横にある水晶谷で赤土に混じる水晶の欠片を探したり、木のツルで作ったブランコや、ターザンばりの川を渡るロープなんかで少々危険な遊びもやりながら、毎日が冒険みたいで楽しかったと思い出す。
日曜何十年ぶりかに訪れたそこには、見事な菜の花と共に咲く桜を目当てに、弁当を広げ宴を楽しむ家族、散策する人々で溢れかえっていた。疎水辺リにある洛東高校が綺麗になったのと(母校ではないが、体育常勤講師で2学期間働いた懐かしい学校)、流れる水が昔より澄んでいた様にも思えたが、風景は何ら変わっていない。花見客のマナーもいいのか、とても気持ちよくそこをあとにした。
その後、高校時代に通ったバス道を車で南に走る。基本的には自転車通学だったが、母親に聞いてランニングで行っていた高校3年の頃を思い出した。勿論それは体育大学を受験しようと思ってた事や、ラグビーを続ける一環だと思っての事だったのだろうが、当時から「ええかっこしい」だった僕は、自転車やバスを追い越しながらちょっとした優越感にも浸っていたんだと思う。そろそろ、トレーニングを再開しようと、もうすぐ44歳は思ったのだった。
母校を通り過ぎ、桜日本100選でもある醍醐三宝院に着いた。流石に名所だけに観光バスまでをも飲み込む駐車場は満車ではあったが、天候と同じくラッキーにも、地主らしきオジさんの手招きでちゃっかり駐車でき、高校の体育授業やラグビー部のランニングコースだった懐かしい境内を一通り歩いた。少し小綺麗になった所があったのは、2009年が醍醐本山開山1100年で、色々整備されているのだと知った。建立1060年ほどの国宝五重塔や、赤い門構えによじ上っていた過去を懺悔した。
ブログには、池の畔の赤い祠の様な建物の画像があるが、25年ぶりかに観たこの日に「あぁ、この風景だったのか!」と少々驚きに近い感動を持った。実は夢や大袈裟に言えばフラッシュバックの様に、時折頭の中をかすめるヴィジュアルの中に、この風景がずっとあった。映画のワンシーンの様でもあり、中国のどこかにも似た画を思い出せずにいたのだ。根拠はないが、パワーをもらった気がして、帰る足取りは清々しい、スガシカオならないシガスカオであった。
そこから実家に戻ると、疎水や醍醐寺に負けないほどの桜の数々が、小さい頃に遊んだ公園の周りにたくさん飛び込んで来た。マンションの駐車場に向かう道を、桜のアーチが迎え入れてくれる(これも画像にある)。エレベータホールに一枚の張り紙があった。「桜の手入れ、選定維持工事の実施期間について」というそれは、この地区の桜を残す自治会による、住民の理解を促すものだった。
京都の全てが凄いとは思わないが、生まれ育ったマチの懐かしくそのままの維持が素晴らしく思う。僕自身の信条でもある「店を始めた頃と何も変わらない」というやり方が、この原風景にあるのだと、今も咲き誇る桜に気付いた。
※今日のヒトコト
【岐阜の農家さんからもらったという野菜のお裾分けをいただいて、週末にブロッコリーと正体不明の菜っ葉はナンとか使ったにしても、 残る「わけぎ」だけがどうやって食べればいいのか分からない これって、ネギ?】
※志賀氏的伝言板
【 4/26(土)バーテンダーズナイト開催予定 】
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