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20日春分の日、お客様の予約でもあれば店を開けようと、それくらいの軽い気持ちで昼過ぎにいつもの三宮に向かっていた。ハーバーランド近くの信号待ちで、歩道に走るオバちゃんを見た。その10mほど後を、オヤジも付いて走る。ランニングをしているのではない。オバちゃんは買い物ポリ袋を小脇に抱えていたからで、かと言って、そのオバさんを追う(襲う?)オヤジではないのもすぐに判った。オバちゃんもオヤジも、なぜかお揃いの迷彩服だったからだ。その先に何があったのか。謎は深まり想像は掻き立てられたが、テロリストにしては情けない走り方の二人(特に遅いオヤジ)を後にし、磯上公園へと僕は向かった。
百貨店そごうの南側に国際会館がある。その東を少し行ったところの、ポートライナーより手前に知らぬ間に商業施設ができている。カフェネスカフェの対面に位置し、その一階部分は昔「喫茶摩耶」という所謂純喫茶だった。コーヒーやコーラ(手書きで「コーラー」と書いてありそうである)、クリームソーダ、サンドウィッチとナポリタンスパゲティくらいしかなさそうな店だったが、どんどん様変わりする周りの風景を拒絶するかの様にそこに在る喫茶の、埃を被ったウインドウのコーヒー豆を見る度に、妙に安心したものだ。もうそこは、神戸にあり過ぎるほどのスターバックスになっている。そのビルの屋上テラスのあるカフェが面白いと聞いたので観に行った。「外国のおもちゃ箱をひっくり返した様な店内」という謳い文句の店らしい。女子には気に入られそうな店ではあるが、今時のカフェはどうにも落ち着かない。僕には、純喫茶のビロード張りの椅子と、煮詰まったどす黒いコーヒーに懐かしさと安心というバリューを感じてしまうのだ。
そのビルの前で、昼間の仕事に思い付いた事がありメモ書きしていると、倖田來未みたいな今風の女の子が花束を持って近付いて来た。「あのぉー…」おいおい、こんなところで告白かぁ?と花なんて貰っても独身男は枯らせてしまうだけだからもったいないよ、それはそのまま君にプレゼントする、と言おうと思ったら「サンボーホールってどこですか?」と聞かれた。少し離れた場所でこれまたイマドキの彼氏と思しき男の子が立っていたが、ずっと黙ったままである。一通り説明すると「ありがとうございましたー」そう言った女子だったが、男はふらふらと彼女に近付いて一緒に歩いて行った。昔から、見知らぬ人に道案内を尋ねるのは女性の方が躊躇しないものだと感じていたが、この場合の男は「頼りない」を通り越して、そいつの威厳とか男らしさとか、そういったものを無くした情けない動物に見えた。
その夜の店、久々の懐かしい面々が偶然集い、祝日はいい感じで閉店を迎えられた。しかしまだ週の半ば、開けて金曜日もまた昼間の仕事アポイントは続く。東大阪の包装資料館の見学もあって、ある国家資格の組織団体の資料も熟読し、ディレクションに向けて色々考えなければならない。
とりあえず寝ます。
※今日のヒトコト
【講演を依頼されたが、審査する側される側みたいな関係性も嫌だし、壇上から一方的に話すよりディスカッションを希望した 僕は人に聞かせるより、人の本音の言葉を引き出す方が性に合っている 】
※志賀氏的伝言板
【 Fミリアさんも、決算期だから忙しい様子ですな 】
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