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■ 中毒性日記 2008
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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水曜日昼に塩屋中学の横を通ると、胸に花をつけた新入生と母親が多くいた。入学式ってこんな時期やったっけ?あぁ卒業式だな。いずれにせよ、僕には懐かしい風物詩を見た。汗ばむくらいに暖かい気候、もう春の装いである。

旧居留地に向かう。岩手遠野市の食材を豊富に使う、夏にオープンを目指すカフェ、その食材を含めたブランディングの打合せ。その場所は京町筋にあって、12月のルミナリエの東西メイン会場から垂直に伸びる通りに面している。博物館や旧オリエンタルホテル跡(現在ホテル建設中)、ブティックブランドなどが路面を飾るが、基本的にオフォスビル群が立ち並ぶ街である。ランチ需要も通りに入れば幾つかのカフェなどの飲食店があるが、ランチ時だけに出没する公認非公認(?)屋台店も含めて、まだまだ本格的に「食べさせる」店は少ない様にも思う。

近年食文化は安価から安心へと移行し、それに伴って単に美味しいという事から旨い、巧いという産地や生産方法、生産者までにこだわる人々も増えた。神戸には多い「創作料理屋」だが、確かにメニューには「○○産無農薬野菜を使用」とか「□□さんの農家で採れた」などと明記され、一見、そこいら(死語)のスーパーで買いましたというよりは謳い文句としては聞こえがいい。しかしながら、そういう文言に肩入れするがあまりの「堅い関係性やストーリーのない」供給元までもウリにしてしまっている店もある。独自で開拓したものではなく、流行だからと使用し、料理人の腕が見え難い店も多いのだ。翻って、スーパーで買って来た食材でも美味しく出すという、職人であるはずの腕が磨かれていない店が多い現状がある。

この話はどちらがいいとか短絡的に答えの出ない、とても難しい問題ではある。例えばバーで言うと、今主流や旬のリキュールを置いておくと、女性を中心にウケが良く使い勝手はいい。それも良い店だとは思う。反して、そう言った流行モノは置かずに、マニアックと言われるほどの酒をふんだんに置けば、それも個性的な店に映る。僕の店はそのどちらも属さない部類だと思う。バリエーションは少ないし、ここしかないという酒はほとんどお目に掛ける事ができない。しかしそれでも何となく続いているのは、世間に流されない店独特の空気でしかない。どこにでもある酒や、いつもの飲み方をした時に、大抵その店が判るものだ。そこが仕事。

そういう前提で僕は店をやっているのだが、気を付けなければならないのは、安価なものでも高級なものや珍しい・稀少に対しても全力を注がないといけない、つまりは『食材を差別してはいけない』という点である。「これは著名なワイン評論家が最高位に格付けしたワインだ」とか「あの世にも有名な料理店評論ブックに掲載された店」などと言われたところでそれは人間の下した判断であり、歴史が認めたものとは根本的に違うものだ。だから同じ様に供する。フランスのショコラティエの作る一粒500円の高級チョコレートとレジ横のチロルチョコを比べれば、後者に懐古や美味しさを求める人もいたりする。個人的にはマーブルチョコレート(もしくは銀色の仮面になってるヤツ)か不二家のパラソルチョコ(紙を取って先が折れてるとブルーなる)などの方が、涙が出そうで僕は懐かしい。

人に想いや歴史、生きて来た環境があって、切っても切れない食文化がある。ただ美味しいではなく、その先に身体に表れる変化やストーリーが見える、そんな食材を与えてくれる場所に関われている事を幸せに思う。

食材一つにも広がりがある。それを運営する人々そこに立つ人々以外に、その場所にやって来るお客様の言葉で繋がってゆく、そんなブランディングが理想である。


※今日のヒトコト
【そう言えばチロルチョコの元営業社員が訴えてた記事を、水曜朝に見た 最初は数箱半畳程度の営業販促用在庫だったのが、長年自宅の6畳分に増えた在庫に対し、家賃5万円×120ヶ月の600万円を請求したそうだ  「じゃあ、そのチロル全部あげます」 という事では収まりそうにない模様である】

※志賀氏的伝言板
FエリシモYさん、ええ言葉パクらせてもらいました!!


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