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木曜21時頃、腹を空かせた僕は、携帯番号を書いた置き手紙を店に残し、店の子機を持って外に出た。早い時間に夕飯を食べようと思ってたら、近くの中華が休みだったからだ。そう言えば水曜夜に、そこの中国人息子19歳（頬のホクロから育ち続ける毛が一本）が「アシタ、オカアサンノオトウサン、ツマリオジイサンガチュウゴクカラキマス」と言っていた事を思い出した。「カンクウマデムカエニイキマス」と聞いてもいないのに色々情報をくれるのは、僕を顧客を越えた家族だと思ってくれているのかも知れない。もしかすると代わりに店を開けてくれと言わんばかりに聞こえたが、それだったら僕も関空まで行こうじゃないかと…行くわけもなく、三宮の子機が届きそうな狭い範囲を歩く。
昔から近くにあって、今は苦戦中の別の中華店がある。見ると、僕がよく通う中華と同じ値段設定（内容まで酷似）の定食を始めたようである。しかし、ここには悪い思い出がある（それは恐ろし過ぎて書けない）のでスルー。交差点に近付くと、これまた評判のいい、大衆中華より少しグレードが高い中華（四川か？）があって、女性を中心に賑わいを見せていた。しかしここまで子機は届かないゆえ諦めて、意外と知られていない交差点「イスズベーカリー」の小さな店に向かう。
ここは22時までだというのに、もうほとんど売り切れご免状態で、繁華街にあるそれとは客層も売り方も違うようである。サンドイッチ（サンドウィッチでもいいが、少し死語の香りがする プラスチックをプラスティック、もしくはプラッチックと関西オッサン風に言う事に似ている ちなみに、森に棲む魔女伝説を描いた映画は「ブレアウィッチプロジェクト」である）でもと思ったら、やはり生ものはなくなっていた。消費期限に敏感になっているのかも知れない、山田五十鈴は。
朝食用にとクロワッサンをワッサワッサと手に入れた黒オッサンは、仕方なく対岸（大袈裟だ）のファミマに向かった。正確に言うとファミリーマートの事だが、グループ異業態の「ファミマ」（ローソンで言うナチュラルローソンに近いか）は、関西にはほとんどない。未だに、神戸空港ができる時に僕が推した「ファミマ」にして欲しかったと思う。しかしもうすぐ44チャイの僕が、ファミマと略すとは、マック、ケンタほどにミスドらしい（見窄らしい）事である。そんなオヤジはロイホと叫んで、ドンキで頭を打たれてスタバればいい。
向こう岸に船頭もいないまま渡ると、有馬のコリキがなぜか裏道を歩いていて、こんなところで出会うとはおぬしも隅に置けないなと聞くと、ネイルとやらをしてもらったばかりで、乾かしがてらブラブラと、三宮で話題の女性占い師を探していると言う。日曜昼に行こうと思ったら、占い師は夜にしかマチに出ないと知った上、木曜の徘徊である。その占い師は、僕も面識がある。
ワインセミナーの講師をした際のゲストで、えらく女性受講生の受けが良かった。北野坂の途中で占いをしているらしいから、こんなとこにいるはずもないのにぃ〜と山崎まさよし調に返してみれば、あら不思議にも自転車を押し、今から北野坂に出勤のその占い師が目の前を通るではないかいな。僕がそのセミナーで会ったのは2年ほど前だからこれは偶然という必然で、確かに自転車の荷台に何やら風呂敷に包んだ板状のモノを運んではいるが、もしやその人が似ているだけの三味線弾きだとしたら、これはとんだ早とちりのチリトテチンだと、まさにつま弾く三味線の音色が耳の奥で奏で出した。どうやらその足は北野坂に向いているので、有馬のコリキに見てもらいなさいと背中を押して、僕はファミマではないファミリーマートでイッチ、ニィッ、サンドウィッチと、サンドイッチなのに2ウィッチ買った。
しかし後で報告メールを見たならば、背中を押したのは僕ではなくその女性占い師だった様である。流石、やはり師には敵わないと、師賀ならず志賀は、酒を占い、もとい、売ろうと店に立った。しかし一向に隆盛を見ず。
この店は大丈夫かと、占ってもらいたい夜は更けてゆく。
※今日のヒトコト
【その占い師はよく当たる事で有名である 以前書いたが、ワインセミナーの時にご好意で名前の画数で出る数字？を占ってくれて、 「生涯、この数字を見たのはアナタで二人目です！ この数字は神に近い数字です 天賦の才能を持っていて、とんでもない飛躍が待っています！！」 と驚かれた 「で、一人目はどういう人だったのですか？」と聞くと、「神戸製鋼でラグビーをやってる方で…確か、伊藤剛臣さんという方です」と占い師は言った 複雑な気分になった事を覚えている】
※志賀氏的伝言板
【 3/24（日）またNGKへ川畑クンの新喜劇！ 中條氏も出るよ！ 】
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