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■ 中毒性日記 2008
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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午前4時前に、つい先日結婚式を挙げた男とその仲間が出て行った。そのまま店で書いている。婚礼の裏話を聞いて、へぇそんな事があったんや、やっぱりアレはそうやってんなぁと盛り上がった。スポーツにしても祭りにしても、本番前の盛り上げはあっても終わりは一様にフェイドアウトするものである。いつも思う。終わってからの話の方が結構重要なのだ。振り返る事、苦笑話や反省会も含め「アツい」うちに残すと面白いと思う。イベントプロデューサーの皆さん、これヒント。

金曜日は珍しく予定がなく、眠っていたらナンと19時半に起きてしまった。エラいこっちゃと飛び起きて、ひとまず落ち着けとテレビをつければ、流石関西ローカル(関テレ)である。やしきたかじんメインMCの「ムハハ no たかじん」に、橋下新知事と平松新市長が生放送で出ていた。録画、もしくは中継で出る事はあっても、こうして時の人が同時に生出演するのは珍しい光景である。20時までの30分ではあったが、これが他県の知事と市長であれば、新春時事放談と大差なくチャンネルを変えられるのだろう(宮崎除く)。どん底である大阪を立て直すのは、天下りではダメだという理論に基づき、世相の期待は過度だ。監督首脳陣が変わって、弱小チームが突然優勝戦線に顔を出す訳はなく、時間は必要だ。本人は無論、それにマチの人々が耐えられるかが問題となる。着地点の見え難い戦いが始まった。

そんな理由で、高速道路に乗っても店に着いたのは20時半前で、そこから色々準備する事になった。食事を出さないから、それほどやる事もない店の様に思われがちだが、実はそれなりの儀式に近い時間が僕にはある。

急いで飲めなかった二杯分の珈琲をドリップ、MacのiTunesから曲を流し、前日掃除後の状況から開店準備、さぁて氷を割るかと一貫目の氷を二等分にする頃、扉をノックする音。まだ表のダウンライトは点いていないが、そこに4名の男性が立っていた。「もう、いいですか?」「いや、まだこの状況でして」と明るい店内に右手をやる。「中で待ってるのもダメですか?」「すみません あと30分ください」そう言うと、僕は扉を閉めた。自分の勝手な都合、曖昧な開店時間である。

女性で言うと化粧の途中を見せる様であり、お客様をどうぞ!と入れてから「今日はネタがありません」と言う飲食店の様でもあって気持ち悪いのだ。僕にはこのドアの一枚が、大袈裟に言えば砦なのである。客入りは舞台が整ってからだ。

そんなわがままを通させてもらってるこの店に、30分後にそのお客様は戻って来てくれた。さっきは不機嫌で怖そうなマスターが、意外にもよくしゃべるんだね。また来てもいいですか?初めてのお客様とそんな対話が弾む時、僕は救われた気分になる。 あのまま戻って来なかったら、僕は少し後悔する事になっていたのかも知れない。しかしこれからもこのスタンスは変わらないのだと思う。

「氷このままでいいからお代わりちょうだい!」と言う人が稀にいたりするが、それはおそらく忙しそうだからこのままでいいよという、そのお客様の気遣いの一つなのだろう。しかし、僕はそういう仕事は基本的にはしない(オンザロックに関しては、溶けない氷を楽しんでもらうこともある)。楽をする事が忙しさを回避できたとしても、その後悔の方が嫌なのだ。それは職人気質という堅苦しいものではなく、性格でもあり、店の内と外は違うものだと知っているからだ。

手を抜いた時ほどに、それは目立ち伝わってゆく。

勿論完璧だとは言えない僕だが、まぁいいかと思う事だけはできない。


※今日のヒトコト
【先日行ったお店からハガキが届いた 名刺を渡したからだろう 季節の挨拶と今後の料理案内の印字と共に、そこは直筆で一言と名前が書いてあった この行動は、女性のいる店にもあるよくできたマニュアルの一つであり悪い気はしない しかし初めて行った店で、店主は僕より年下のはずなのに、 「元気!!」という一筆の意味がよく解らなかった  いい店だけに、どこかもったいない】

※志賀氏的伝言板
「Meets Regional 3月号」発売中! 志賀、麺喰らってます


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