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木曜日。ナンだか、夜になるととたんに寒い。店のツインの暖房をフル回転させて、トイレのファンヒーターも引っ張り出してきた。そういう時に限ってお客様は少ないものだが、それは仕方がない。不思議な天候に左右されながら、僕の想いもフラフラとあっちやこっちに行きそうになるのを、温かい暖房が包んでくれる。
店を出て南へ少しで山手幹線に出る。山手幹線をよくよく考えてみれば、山の手の幹線道路であるからして、それがどこからどこまでのことを言うのかなどと考えたことはないが、西は長田神社の鳥居の辺り、三井住友銀行が「直線」の終点で、東は岡本、摂津本山経由の甲南山手（甲南女子大の麓）からトンネルまでのことだと思う。いや？最近あそこを通ってないから、トンネルより東も栄えているのかも知れない。まぁ要するに、僕の知る限り山手幹線はその辺で終わっているんだけど、○○街道や○号線などと通称も含め話に出たりするが、意外と端から端までは知らないものである。ちなみに道路じゃないけど、育った伏見の大手筋商店街は、先日確認したらまだ昔のまま長かった。実家の山科銀座も変わらず、50mもなかった。
大昔、と言っても13年前、芦屋の女子と付き合っていた。おデート（ハイソでブルジョワジーな響き 今で言うセレブか）は鳴尾御影線を通ったものだが、それを「ナルミカ線」と地元では呼んでいることを知った。「風の谷のナルミカ」のようなこの響き（またジブリファンに怒られる）、やはり御影〜芦屋は違うなと思ったものだ。足を延ばせば西宮のヨットハーバー、埋め立て新興住宅マンションエリアはマリーナシティと呼ばれ、元町にもある姉妹店マザームーンカフェにも足を運んだ（僕はずっと、マダムカフェだと思ってた）。とにかく、芦屋、苦楽園、夙川など、伏見桃山〜山科で育った僕が行ってはいけない聖地のようで、ハーバーの水面に映る太陽ほどに、その全てがクラクラと眩しかったことを覚えてる。
僕の住む塩屋から西に行けば、垂水から舞子への海沿いに「ウェザーリポート」というオシャレなデッキもあるカフェがあったが（学生時代に、いつかデートはここだ！と憧れた）、今はもうアウトレットモールやホテルなどがあり人口海岸になっている。複合商業施設や量販店がオープンする度に、そのロケーションでしかできないものなのかと勝手に嘆いている。確かに、明石の港は「たこフェリー」、垂水のカフェは「喫茶おばさん」である。でも、それがマチや地元ならではのモノであり、他では真似できないことだと解っているはずなのに、不思議なマチづくりは繰り返されるのだ。ちなみに「喫茶おばさん」は、おじさんも集うらしい。
さて、三宮加納町の話に戻る。山手幹線沿い、いつもの中華を西に曲がると隣にはチェーン店の焼き鳥屋がある。シャッターの閉まったその東側の店舗は、震災前から印刷屋があり、名刺や季節の案内状をプリントする店だったが最近店じまいした。そこのシャッターが開いている時間があって、どうやら内装工事が始まってるようである。界隈の中途半端な情報通、中華の息子（18歳 名はセキウンリュウ〔石雲龍〕くん なぜかお客さんの谷中くん情報）が「ラーメンヤガヤッテキマスネ」と教えてくれた。何でも、加納町の交差点の麺蔵（キムチラーメンで有名）が、ビルの取り壊しで移転してくるらしい。
加納町の交差点を少し上がったところから大通り沿いに中華、焼き鳥屋、中華、アンティークショップ＆カフェ、産婦人科を挟み、中華、焼き鳥屋、そしてそのラーメン店、カフェが並ぶ。決してデートコースの様なオシャレ感は漂わないけれど、このメタボリックシンドロームな通りが僕は好きだ。
マチに根付いた呼吸、息吹を感じる。
それはそれは、濃い通りである。
※今日のヒトコト
【その中華の息子が、持ち帰り弁当の大と小の説明をお客さんにしてた 「ダイノイメージハデスネ…」 少しおかしな言葉遣いに安心した】
※志賀氏的伝言板
【 GWの5/2か3にイベントやったら来ます？？ 】
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