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■ 中毒性日記 2007
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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青果店のレシートの「クダモノ」が、ケダモノに見えた志賀でございます。 木曜日、夕方雨の降り出した神戸。打ち合わせを2件終えて、少し早めに店に着く。今週やっと定時の開店ができた。暫くは借りているDVDを観て過ごしていた。

先日のこと。扉を叩く音がして、僕は何度もチャイムを押すセールスマンを追い払うかの如く怪訝そうに(と言うかモロ怪訝に)、睨みをきかせてドアを開けた。

叩き方にも幾つかの方法があると思う。なぜか僕の店に「インターホン」があると思っている人がいて、そのように誰かに伝えたものだから、その人は見つからない呼び鈴に仕方なく扉を叩く。多少の敷居を感じながら叩くのは「トントン」と、それが苛立ちであれば「ドンドン」と、もうどうにも面倒臭くなってドアノブを「ガチャガチャ」と、そのいずれかの擬音が、中にいても聞こえてくる。

「怪訝そうに」の場合は、中にお客様がいるのに叩き過ぎじゃないか?という様な音のような場合である。この日はそうであり、開けると見たことのない男女がそこに立っていた。「○○さんから連絡入ってませんか?」男性は言った。

「ないですね まぁ○○クンのお友達ならどうぞ」そう言う僕の顔は怖かったようだ。そしてこれも後で分かったのだが、携帯には何軒かその主から着信があった。携帯電話の音は切っている。店の人間が子機で話すことはあっても、携帯は見苦しいとどこか思うからだ。直ぐさま「店に電話くれな困るなぁ」と電話の主に言うと、「その方は僕の会社の大株主で、どうぞよろしくお願いします!」と言うので、そこはそれなりに切り替えて、いつものように応対した。

新潟の筋子とシソの実と魚沼産コシヒカリを届けてくれた塚田クンと話しながら、暫し時が流れる。炊飯器を手に入れてから、やたらと「ごはんに合うおかず」の差し入れが多い。過日には、日記にも書いた釣り帰りの谷中クンが捌いてきた淡路島の鯵のヒラキとなめろう(鯵を八丁味噌、ショウガ、ミョウガ、ネギで和える漁師食)、丹波からは和久さんがくれた松茸昆布も平らげた。独り者にはたまらん話である。今後も、ぜひ受付を継続したいものである。ププッ。

「帰ります」1時間ほど過ごしたあと、カウンターの男女、その紳士は右手を軽く上げた。実はこの短い時間にもそれなりに話はできた。先ほどは人見知りゆえの無礼をお許しください、こういう店のやり方に輪を掛けて不器用なものでと僕は挨拶をし、その方が昔神戸にいらっしゃって、今は香港に住まいを移したこと、神戸にまたゆっくり来たいということなどを知った。

正当なご請求をし預かった金額に対し釣りを渡そうとすると、「いえ、お釣りは結構です」とその紳士はさっきの右手でストップを掛けた。釣りは飲み代の倍ほどある。海外での生活が長いからか、それがチップとしての気持ちなのか。もしかすると「また来させてください」という意思の現れにも取れなくもない。

「いいえ、お持ち帰りください そしてまた、この店がお気に召したなら、いらしてください」僕はそう言って、釣銭をその数だけ渡した。少し間があったけれど、「ありがとう」と紳士は女性をエスコートし、深夜の街に消えて行った。

もちろん、お釣りを「今日は多めに飲んだから、取っておいて」などと有り難く頂戴することもある。「一緒に飲んだんだから、ちゃんと払わせてよ」と釣りを置いて行く方もある。それは、それなりの時間と会話、その関係性によるのだ。それには少なくとも同じ人と「再会」しないといけない。二度会うことには意味がある。

初対面で、釣りをチップとしてもらう店と、受け取らない店がある。 受け取らない店は流行らなくとも、ちゃんと戻ってきてくれる人がいて成り立っている。


※今日のヒトコト
【翌日、東京に着いたその方からメールが届いた  「気持ちのいい店でした またお邪魔させてください」

※志賀氏的伝言板
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