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東芝とサントリーの壮絶な決勝戦を観てから夕方、今期最終のワインセミナーに出た日曜日。またワインや料理の話を一切しないで、第5期ホテルトアロードのセミナーは終了。なぜか来期も担当するらしい。凄いぜ、ホテルトアロード。
日曜のラグビーについて触れる。ラグビーの素晴らしさは「人間力」にあると再認識した。おそらく各所で記されたことだから目にした話だと思う。残り時間の少ない後半、6点差で負けている局面で、キャプテン冨岡の言った言葉が光る。
「トライがとれなくてもいい 5年間やってきたドライビングモールで行こう」
ラグビーは、相手ゴールライン向こうにボールを置けば5点、その後キックする権利が与えられて入れば2点、つまり最大一度に7点が入る。そしてドライビングモールというのは、相手ゴールライン近くで特に効果的な、フォワード（FW スクラムを組む大きな8人 華麗なバックスに対し、ボールを供給するために最も痛い仕事をする、所謂縁の下の力持ち的存在）プレーで、ボールを最後尾に持ったままの固まりでゴールまで持ち込む（ドライブする）という、東芝のお家芸である。
基本的にFWは地味だ。泥臭いプレーが多く、黄色い歓声は届かないし痛いことだらけだ。はっきり言って男前は少ない。でも「男」は多い。僕が90kgあった大学の頃の面影はないが、恥ずかしながら僕もFWだった。外見も含め、内面的にもその「男」の部分は影を落としたが、根底にはその気持ちを忘れていない。そんな「男達」が残り数分の局面で、バックスであるキャプテンにその言葉を託される。
それはFWにとって、これ以上にない「信頼」の言葉だった。彼らFWは「ありがとう」と言ってそれに応えた。そして見事にドライビングモールでゴール寸前に、サイドを突いたバツベイのトライを生んだ。ほとんど正面のトライコンバージョンキック。2点が追加。14対13の逆転、そのままノーサイドの笛が吹かれる。
キャプテンシーという言葉がある。キャプテン冨岡が日本代表級の選手なのかは分からない。しかしラグビー以外のスポーツを含めても、「日本最高級」のキャプテンに違いない。試合後のインタビューで彼は前述の言葉を言った。
「最後は『トライがとれなくてもいいから、東芝が5年間やってきたドライビングモールで行こう！』そう言ったら、大野や笠井（FW）が『（信頼してくれて）ありがとう』と言って、やってくれた ホント凄いね、ヤツら」
全ては一人に、一人は全てに、互いに認め合う。
近頃憤りを覚える学校教育現場やイジメに、伝えてやりたい場面であった。
※今日のヒトコト
【仕事で立ち寄った 神戸空港から更新しました 便利なもんです】
※志賀氏的伝言板
【 発売中の「BRIO 3月号」P.108に志賀。 】
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