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■ 中毒性日記 2006
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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月曜朝、今出ている週刊現代を手に入れるべしと連絡が入る。思い切ったことしとるがなとメールした。彼女のラストスパートなのか。しかし綺麗である。

ブログには昨日アップしたが、僕にとっては年の瀬の大きなイベント、1000通ハガキ年内発送の時期である。月曜の朝に掛けて600通が仕上がったので既に発送した。残る400枚を夜、多分静かであろう店で一筆添え始める。

PCに書くことはあっても、文字を書く行為をここまですると首や背中の後遺症に響く。どうやら取材も年内だということなので、髪を切ることにした。近頃のカットサイクル(変な造語やな)は1ヶ月と2週間だったから、1週間早い。

現時点では、元町のカフェで書いてるのだが、隣の女の子2人はダブルデート同伴待ち合わせのようである。一人は、漫才「やすよともこ」の姉風貌で、なんとウメッシュ缶をいきなり開けて飲んでいる。「飲み物、頼んでへんかったら言われるかも知れんけどな」と開き直ってる。お決まりの、あまり代わり映えのしない化粧をその場で始めだした。「『今は恋愛より仕事やから……』って、どない思う?ありえへんやろ サイテーの男やな やろ?やろ?他に女おりそうやわ めっちゃウザいわぁ〜」それをすぐ隣で聞いている僕の方がウザい。二つ向こうの席では、若い男女がスクラッチ宝くじを削ってる。年の瀬は色々ある。

髪を切りに行った先の担当と話す。職人と話すのはいつも心地いい。

「ハサミって、もちろん色んな種類があるんですよね」

聞けば、やはり値段もカタチも際限なくあって、高価だがカスタマイズもしてくれるそうである。今使ってるハサミがまさしくそうで、サイズ、ジョイントの位置、素材などにこだわった。ところがその職人はもういないらしく、これが最後の一本だから絶対に落とさないようにと、スタッフにはきつく言っている。

以前に書いたが、僕が本気で関わってきたビリヤードやゴルフにも共通する「それ一本しかない」「自分だけのモノ」というのはよく解る。量産品で手に入りやすく、楽に、軽く作られた物は至便ではあるが、それだけでは満足できない「タッチ」が存在する。それが近頃の例えばステンレスじゃなくてスティールだとしても、自分だけのソクセキ、職人気質が許さない。

それもいつかどこかで書いたが、究極の贅沢は、自分にフィットしたモノを常に二つずつ揃えるということだと思う。そういった類ほど、振り返ったときにもうそこにはないからだ。店のお客様の靴、ジョンロブは20万近くするが、いつも履いているので「意外に物持ちがいいんだな」くらいにしか思っていなかった。実はその方も、お気に入りは必ず二つ購入するらしい。同じハサミをもう一つ買っておけば良かったと、髪を扱うその職人も言っていた。

職人とそうでない人との違いは、「職人はいつの時代でも生きてゆける」ことだ。 現代社会に出たばかりの若者には、「至便から選んだツール」しか知らない不幸がある。努力しない、自分のモノにしない、道具が勝手にやってくれるから楽だ。そんなことでは、場当たり的にしか生きられず、職人には一生なれない。

『煩わしさは儀式だ』と思えることが、大人の職人に求められることだ。

煩わしさに各々の、個性や手垢が足跡となる。


※今日のヒトコト
年内は大晦日(元日の午前6時)まで


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