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梅雨を前に快晴が続き、五月雨もどこへやらといった感じである。
昼にポートアイランドに入る。過日の六甲ライナーに続き、無人モノレール・ポートライナーに乗ると、相変わらずこれは「人が運転してないんだぞ！いつ壊れるかわかんないんだぞ！！」と叫びそうになる衝動を抑えながら、名前の割には、市民が集っていない市民広場という駅で降りる。ノエビア本社。受付に知人がいて、昼の志賀に驚いていた。そうです、昼も働いておるのです。
パッケージ業者選定に力強い、ブランド戦略本部副部長からの情報収集。元デザイナーだったその方と、デザイン談義。持論爆発、コンセンサスを得る。
そこから数駅、久々の神戸空港。と言ってもターミナルではなく、JAL神戸空港所、所長や所員さん達と談笑。そこでも持論再爆発。ラグーンなど計画中の空港島に、神戸の魚介類・神戸牛、三田牛・丹波篠山の素材などのBBQができるスペースやシドニー・セントラルパーク（空港まで7kmの場所）のような複合芝生公園を！そして空港ターミナルを絡めて、ポートアイランドにいつも同じ時期にある「祭り」を創るべきだと熱弁。コックピットが真正面に顔が見える、整備・給油中のデカイJAL便をガラス一枚すぐそこに、空港デッキビアガーデンも！！などとがなり立てていた。
そこから三宮方面、貿易センタービルから磯上にあるサントリーへ。セールスプロモーション用、志賀製作ポスターの追加納品の確認に。ある一郭のボードには、山崎や響のポスターの中に僕の作品が数点。手を放れた子供との再会の如く、嬉しくなる。今度、写真を撮ってこよう。
余っている荒れ果てた土地、整備され何かができようとする場所、既にできあがっている神戸でなくてもいいじゃないか的施設など、ポートライナーの左右に見える景色を確認しながら、遠足の子供のように動いた（ちゃんと靴を脱いで正座して見たよ！ウソじゃ）お陰で、店に着いた夜、名刺入れがないことを知る。
焦ったのは、僕の名刺よりもその名刺入れ。神戸ナガサワ文具センターの文房具博士・竹内氏から戴いたものだった。なぜか自社のものではなく、東京ITOYAのもので「志賀さんのイメージにぴったりだと思って」とくれた気持ちがとても嬉しかった。思わず、ダメもとでポートライナー三宮駅に電話した。………「ありますよ」街の人はナンと、優しいではないか。たまらん。
深夜、40歳代〜50歳過ぎの素敵な、ちょいワルオヤジではない本気のオヤジ達4人が、なぜか松屋町で仕入れた懐かしの銀玉鉄砲を持参で店に来襲。他のお客様がいなくなった時点で一斉乱射。合流したラグビー選手2人に銃を渡す本気のオヤジ、いや大人の皮を被った子供達。
ガハハと笑いながら打ち合う姿に「結構、後で掃除が大変なんですけど……」と言う僕に手渡されるワルサーP38、あールパン3世気分。ワルサー持った悪さーいっぱいの僕も、カウンターのイスをバリケードに撃ちまくる。ずっとガハハと笑い撃ち合う大人は、夜も一層更けて帰る頃、表に出ても撃ってきて、「大丈夫、玉は土に帰るから」とエコロジカルな言葉を放つところは大人だったが、太陽が出るまでは子供でいられる笑顔で消えていった。
精巧にできたモデルガンもいい。距離を撃てる電動ガンもいい。でも近付かないと命中しない、相手の笑い顔や耐えられる痛さのしかめっ面を確認できる、銀玉鉄砲は捨て難い。子供だましの「当てモノ」がある駄菓子屋も少なくなったけど、オヤジをそんな気分にさせる場所がこんな都会の中にある。
僕の店が違う表情を見せた日、名刺入れと同じくらい、
この目の前の鉄砲は僕の宝物になった。
※今日のヒトコト
【玉は土に帰る……… 僕の店に、土はないじゃないか！！ 】
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