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■ 中毒性日記 2006
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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僕の住むマンションのすぐ横に、ウグイスが目の前で鳴いている木がある。たまたまだと思ったら、雨が降らない限り日中は必ずそこにいる。暖かくなっていつかソイツはいなくなるんだろうけど、そこを通る度に何だか嬉しくなって僕は暫し立ち止まり、路上の演奏家のようなその音色に聴き入っている。

木曜の打ち合わせ、その延長の出会い。生田新道のプロジェクト、久々の酒造メーカー訪問、デンマークのオーディオメーカー、若い起業家、夜のラグビー選手。それぞれを思い出しながら夜、金曜の店にいる。天候は崩れるらしい。

「志賀さん、ブログ見てますよ」と言われる度に、僕のはブログじゃないんだよねぇ、と答えてしまう。Web Logだから、一緒にされても仕方がないのだが、僕は画面上に直接書いてアップしていないから、その辺の頑ななこだわりはある。利器は推敲を遠ざけ、時に誤解を生む。僕はそれが怖いのだ。

もう何年かぶりに、Sさんが24時間遠隔操作のペースメーカーを身体に埋め込んで帰ってきた。退院したときには、携帯電話を持って歩く人々とすれ違う度に、凶器に思えたらしい。眠るのも怖かったそうだ。そしてやっと眠れたときに、奥様とお子さんが、心臓が止まっていないか胸に手を当てて確かめに来た。その姿を見たときに、思い切って手術を決めたという。

なんとか慣れた今でも、CDショップや家電量販店にある盗難防止用ゲートを通るのが苦痛である。電磁波で誤動作すると胸に激痛が走る。24時間の監視(心臓が止まっていないか)で、ショックを与えるせいだ。街には、そういった境遇の人がいる。電車の女性用車両の次は、障害を持つ人々の専用車両をつくるべきだ。都市デザインの一環で、神戸がモデルケースになれないか。

様々な境遇が街の人々を構成している。Sさんが一人座ったカウンターの端に、できるだけお客様を遠ざけながら案内した僕には、ただそれだけしかできないジレンマがあった。おそらくは明日からも、優先座席の近くでは電源を切ることくらいしかできないのだろう。そんな僕にSさんは言った。

「思い切って、やっとここまで来られて良かった」

昔から、か細い声だった。それをさらに絞り出すように言った。

Sさんは「また来ます」とは言わなかったけれど、4年毎に電池を替えなければならない身体を押して、いつかまたやってくるだろう。そうまでして現れる人に、この灯火が消えないようにする。使命のようにそう思う。


※今日のヒトコト【 そう考えると、僕等はまだまだ頑張れる


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