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■ 中毒性日記 2005
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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台風が近く上陸するらしい。生暖かい風が吹く神戸である。

店には、女性4人がソファで楽しく語っていた。ちょうど0時を過ぎたことで、その一人が誕生日を迎えた。僕は何か演出をと辺りを見渡したが気の利いたモノもなく、いつか戴いたまま使わなかったケーキ用と思しきキャンドルを渡した。彼女達はそんなモノを大層喜んでくれて、子供のように火を付けてその明るさで笑顔になっていた。それはちょっとした夏の花火のように、懐かしい光景だった。

夜も更けた頃カウンターでお客様と話してた僕は、「ガシャンッ」という音にソファ席を見た。キャンドルを周りに置いて、バースデーケーキのように眺めてたガラスの灰皿が真っ二つに割れたのだ。幸いにも誰にも怪我が泣く事なきを得たが、彼女達は申し訳なさそうに僕を見た。ナンの問題もない。そうやって、壊れてゆく・無くなってゆくモノ達は、この10年間に一杯見てきた。

「問題ないよ あれがあの灰皿の寿命だったんだ ちゃんと弔ってあげる」

帰りにその一人が申し訳なさそうにくれたメールにもそう返した。誕生日なのに、ナンダかテンションを下げたみたいな根性のないガラスの灰皿に、こちらの方が申し訳なくなる。「すみませんでした ずっとあのテーブルにあったモノっぽいので……」確かにこの店の小さな歴史の中に10年近くあったし、喫煙家には大活躍の大きい灰皿だった。でも、それは仕方がない。

日記には書かなかったが、車が工場に入ってる間に乗っていた代車で、つい1ヶ月ほど前、車上荒らしにあった。それは僕が不慣れな車の鍵の閉め忘れだったからで、盗ってくださいと言わんばかりに助手席のTUMIのバッグごと盗まれたのだった。中には財布などはなかったし、診察券やペン類、名刺やサングラスといったものくらいの小さなバッグだったのだが、20年前に初めてのバイト代で買った 時計 が入ってたのは痛かった。あれには想い出がいっぱいあった。

でも、数日したらそれは彼ら(あえて彼らと呼ぶ)の運命に近い寿命だったのだと思うようになった。カタチあるモノはいつか無くなるんじゃなくて、カタチあるモノはカタチを変えて存在すると考えるようになったのだ。それを持っていったヤツとは比べモノにならない想いが、僕の心には残ってる。

その泥棒と、めでたい誕生日席にガラスの灰皿を割った話を一緒にしてはいけないが、想い出は消えない・消せないという意味では同じである。

しかし、あの席でよくお客様に言っていた「ツカミ」は使えなくなった。

「イマドキ珍しい、2時間サスペンスに出てくる凶器のような灰皿でしょ」

またそれに近いガラスの灰皿を探すことにする。


※その直前、あまりにキャンドルの火が綺麗だったので、思わず撮った写真をブログに載せますわ。最後の晴れ姿、見てやってください!!


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