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■ 中毒性日記 2005
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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金曜の昼、大阪堺筋本町に地下から浮上すると、警察官が事故の検証をしていた。「ということはご主人は、どれくらいここに停めてたんですかね?」と当事者と思しきオジサンに聞いている。その人がご主人なのか家人なのかは判らないのに、男はある時からご主人と呼ばれるようになる。それはどんな時なのか。

僕自身も、保険証に「世帯主」と書いてある以外は「ご主人」だという認識もない。「ちょっと奥さん」に近いソレは、おそらくは見た目から来るのであろう。ちなみに僕は、電話営業以外はご主人と呼ばれたことがない。ヨシヨシ。

本町で打ち合わせが終わって、梅田のホテルカフェで久しぶりに会う者同士、互いの恋愛話をした。それぞれの「深い話」が一段落付いた頃、僕はずっと気になっていた左斜め窓際のテーブル席を眺めてた。そこは4名掛けソファなのに、窓際に若い女性(27、8歳か)とその隣りに座る「こないだまでは社長、今は会長で快調」のスーツ姿の60歳代後半と思しき男性。背中しか見えない二人に、キタの新地に今から同伴なのかとボーッと見ていた。

何度も男の携帯が鳴る。度にロビーに出るマナーはいいが、どうせ金にモノを言わせた女性からだろう。一人残された女性は、退屈そうに向かいのホテルを見てる。多分、彼女にも割り切りがある。いつかは素敵な男性と出逢いたいが、今はこの爺さんにもウマ味はある。何度目かの電話で帰ってきた爺さんは、一人の若い男性を連れてきて、向かいに座らせた。「ほうら、彼女カワイイだろう お前と同い年くらいの子じゃよ、おほほのほ」と自分の運転手か秘書室長でも連れてきて、自慢話を聞かされる羽目だ。イヤラシイ爺さんである。

若い男性はチラチラと向かい合った女性を見る。「オイオイ、そんなことしちゃ会長に快調に叱られるぜ お前はまだその会社を辞めたくないだろう」と僕は心配になった。おおよそ「いつかは俺も!」ってな具合に憧れの眼差しをも含むその目は、少し遠慮がちに感じられたが、まんざらでもない表情だった。

するとイヤラシイ爺さんはトイレにでも立ったのか、彼らは二人になってしまう。若い二人だ。会長のオンナでも、これがイバラの道になろうとも、男にはその若さがある。「一緒に逃げよう!君はそんなことをしてちゃダメだ!!」そうだ、お前の好みならば、これが運命の人だとビビビと感じた(死語)ならば、連れ去ってしまえばいいのだ!僕は、心の中で彼を応援していた……。


10分経ったが、爺さんは帰ってこない。 イヤラシイ爺さんは、「あとは若い人に任せて(死語)」ただのお見合いセッティング爺さんだったようである。


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