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■ 中毒性日記 2005
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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三宮から大阪まで、新快速たった19分間を寝ようと思ったのが甘かった。昼は移動の会社勤めの人々が多いのを忘れてた。打ち合わせはかなり眠たかった。

所謂物販は「お客様第一」を考えることが根幹にある。しかしナショナルブランドと成り得る店は、そのお客様からの拡がりまでをも考えるから、先を行っている。現シャネルの社長のコメントに「似合わないモノは無理には勧めない お客様にはクリスマスツリーになって欲しくない」とある。これはエルメス本店が、ぞろぞろやって来た「金は持ってるぞー」という日本人観光客には出し惜しみして、地元のマダムには提供するバーキンみたいなもんで、目の前の売上げに固執しない・媚びない姿勢がナショナルたる所以である。

過日にラビット吉川(もう付き合ってると思われても仕方ない)が、アップルストア(東京・大阪、名古屋もできた?)の日本人デザイナー講演を聞いたときの話をしてくれた。Mac派の僕としては是非とも参加したかったが、またお偉いさん方にケンカする勢いで捲し立てる僕だから、フェリシモY氏は呼ばなかったのだろう。正解だ。多分素っ頓狂(死語)な質問をしたはずだ。

興味深かった話。まず契約の席で、社長でクリエイティブ・ディレクターでもあるスティーブ・ジョブスは言った。「掛かる費用は言い値でいい 但し、僕とどれだけ多くの時間を過ごすことができるか、が条件だ」

この何気ない言葉には本質がある。売れっ子(死語)デザイナーやネームバリューだけで仕事している人には到底難しい仕事になる。例え関わったとしても、仕事のほとんどをアップルストアに割かなければならないわけだ。流石、スティーブ・ジョブス。人間関係は創ってゆくものだと、デジタル最先端にいる彼の話に、どこか人間味のあるMac派で良かったと思える話だ。

その彼にも唯一の失敗(正確には後悔)があるらしい。ちょうどアップルマークが七色から白いシルエットに変わる頃(おそらく今実家にあるPower Book G3)のことだ。今、i-Bookや現行のPower Bookを持ってる人なら分かるが、このノートタイプのPCディスプレイは、開くと背面に白いアップルマークがぼんやりと光っている。そのリンゴが、例えばカフェで開かれたPCの背に見えることで、憧憬やブランドロゴの認知、ひいては購入へと導かせる戦略だった。

この商品化にはリスクがあって、ディスプレイパネルを閉めると、使用する人にはアップルマークが逆さまになる。僕は当初違和感があったものの、今ではよく見られるカフェでの通信やキーボード入力作業中には、ちょっとした優越感とプレッシャーを感じたモノだった。そのリンゴのカタチが、人へのアピールのように映っていたからだ。そしてそれは、人の潜在意識に働きかける。

では、何が彼の後悔だと言えば、まさしく実家で弟が使っている黒いボディのPower Book G3のソレは、使用側に白いリンゴが向いているという「CS(顧客満足)・ユーザー主導」の、前述のナショナルブランドとは違う考え方となっていた。そのたった数ヶ月間に、一気にアップルロゴを反対に向けて新機種の販売に踏み切ったのにはそういう理由があったらしい。偶然にも僕の実家にはその機種がまだ生きている。結構貴重だ。

そう言えば、ノキアやモトローラに見られる欧米の携帯は、電話を掛けているときに背面ロゴが見えたり光ったりしている機種が多い。日本のメーカーが未だにデザイン性に特化しないのは、その先のユーザーを意識できていないのだ。アパレルなら気付いていたはずの、そんな手法に力を入れていないからであろう。

しかしそれでも、特に関西の人に多いと言われる「ブランドロゴを大きく見せまっせ」的な事を簡単にはさせないシャネルやエルメスは、そういうところがナショナルブランドなのだなと、ほとんど縁のない僕はそう思うのだった。


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