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■ 中毒性日記 2005
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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※志賀速報!
ハガキを17日に送りました 近日に到着(欲しい方にはお渡し)します】

なんとか体調は戻ったが、気を許すとヤバイ。風邪には筋肉注射がいいらしい。筋注は、かなり痛いらしい。でも背に腹は代えられない。トライしてみるか。
※注……筋注:近畿日本チューリストの略ではない。

またテレビを観たという人から連絡をいただいたり、店で言われた。数分の中に僕が表現できたかと言えば、それは制約があった。やはり文章の方が性にあっている。新聞を見なかった人に、17日の神戸新聞に寄せた文章を以下に記す。


あれから十年などと感傷には浸らない。あの日、書くことも続けることもできなくなった人がいる。自然の猛威に、為す術のなかった人達だ。僕はこうやって書けるし、ずっと続けられていることがある。

少なからず僕も被害を被った。大阪の所属デザイン事務所にも行けずに三ヶ月、長田にある先輩の会社倉庫の瓦礫からケミカルシューズを取り出すことと、一部損壊の自宅にただいるだけの日々を過ごした。

普段文句を言いながら働く反面、日々平穏に過ぎることを望む人間は多い。組織にいた頃の僕もその部類だったのかも知れない。しかしあの時期には、「働けないこと」が辛いと思った。

それは、自分の足跡(ソクセキ)が残せないジレンマだったんだと思う。

「やりたいことが見つからない」

「サラリーマンなんかにはなりたくない」

と、自らをフリーターだと堂々言う人がいる。 働かないことは字の如く自由だが、足跡を残せないことは虚しい。足跡とは自分の存在価値である。命を考えずに事件を起こす人間は、自分がどこにいるのか見つからないのだろう。それが社会に出て解るのならば、報酬まで貰える就職も悪くない。

ただ企業側にも問題はある。賃金は惰性で払っても「対価だという認識」もなく、そんな社員を育てる考えを持たない会社も多い。だからこの情報化社会に、既に経験したかのように語られてしまうのだ。属する組織の魅力とは、ほとんどそんなところにある。

さて、僕の話。実家のある京都に戻ることは簡単だった。震災に遭ったと言いながらそれをネタに甘え、仕事を続けることもできたんだと思う。

神戸に残ることを決めたのは、僕よりひどい体験をした人の中で、「黙々と生きる」と決めたからだ。ここにいれば僕は、他人に踊らされずに自分だけの足跡を踏みしめることができる。 やはり僕にとっての震災は背中を押してくれた切っ掛けである。店を出し独立もした。できれば体験したくなかったという人もいるが、痛みは人を大きくした。街で働く経験もまた、辛いことや挫折をも味わいながらその人の背中を押してくれて、価値のある足跡となるに違いない。

知識はネットで取り出せるが過去のものだ。知恵は経験という未来からやってくる。それらがあったから狭い価値観を超え、ハンドルネームでは買えない出逢いの幅が広がってゆく。

十年掛けて僕はこの場所で、ずっと続けられることが幸せなのだという知恵を得た。足跡という知恵には、知識とは無縁の温かさがある。

それが痛みを知る神戸だけに尚更のことである。



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