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午前中突然の雨にびっくらこいたが、雨ざらしの彼女(車)に別れを告げて僕は病院に入った。40歳は身体の曲がり角、検診に行くためだ。
パンツ一丁、安物のホテルのパジャマみたいな服を纏って、生まれて初めてバリウムなるものを飲んだ。話によると不味いものらしいが、プロテインに慣れてるせいかゴクゴクと「半分ですよぉ〜」と言われたのに飲み過ぎた。機械は倒れたり立ち上がったり、僕もうつ伏せや仰向け斜めと、AOIA・スーパーウーパー(六甲アイランドにあったプール滑り台)のようにサンダーバードだった。
その後、待合室で暫くすると名前を呼ばれる。蛍光灯の壁に貼った幾つかのX線写真は、白い巨塔を思わせる。明るく言う先生は50歳代と思しき、事あらばギャグを放とうとするオヤジである。深読みするとそれは、大病に対し患者を心配させない常套句なのではないかと、僕は猜疑心が拭い去れない。「食道、腸はきれいです」の「は」が気になる。他のどこかが悪いのか。
「この辺に、灰色に不鮮明なところがあるでしょう」
「は、はい……」
「これはねぇ…………ガスと便なんですよぉ」
笑えない。からかうな。
「アナタの胃はですねぇ、バクジョウイです」
韓流スターの名前のようなことを言われたが、ピンと来ない。
「人間の100人に5人ある、胃の形状なんやけど……」
一万人に一人だったらまだしも、そんな中途半端に消費税みたいな。
ともかく色んな事が判って良かった。周りの大切な人達からの勧めもあって、>>> 9/21日記のおばさんが僕の背中を押してくれた感じもする。検査はしておいた方がいい。安心と希望が、少しの時間で手に入る。
ゆえに、ひとまず大事はない。そのバクジョウイ(瀑状胃)の人は、消化がし難い形状だそうだ。対処法としては、満腹感があるときには水分を流し込み「おじぎをする」といいらしい。簡単なことだ。
というわけで、店で滅多にしないはずの深々と礼をしているときには、単に胃が気持ち悪いのであって、心を入れ替えたわけではない。
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※加納町 志賀とはどんなヤツ?
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