|
|
昨日の干しぶどう日記に書いた、弘津とタケの会話にはぶっ飛んだ。僕が載ってる、ヴィンセントギャロが表紙の雑誌を見て、「こいつ知ってます？バッファロー'99に出てたヤツですよ」（タケ）、「バッファロー吾郎？」（弘津）……
そりゃ、バッファロー'66や、漫才師や。お前ら、おもろすぎやわ。
で、そのときタケが言ったことが切っ掛けで僕は翌日の火曜日、珍しい行動に出た。実は何を隠そう（まっ、隠す必要もないが）月曜から母親が京都からジェームス山の自宅に来ていた。パートに勤める薬局が工事だとかで、僕があまりにも京都に帰らないものだから、あっちから来てしまった。40歳手前にしても、あの人から僕はどう見ても子で、60過ぎてもずっと親なわけで……と北の国からみたいな語りは置いといて、孝行らしきことはなんとか神戸で生きていることくらいしかなかったから、今回はちょっと色々考えた。
と言っても、お誕生会みたいなティッシュのバラや折り紙の輪っかで歓迎することもなく、月曜昼にJR塩屋まで迎えに行って「お隣の佐川さんに漬物を……」と訪ねると、母と同世代の佐川満男は家に招き入れ、病気話や世間話にティッシュのバラならずとも花が咲いて、僕は15時までにデータを上げてDTPに向かわなければならなかったので、母を置き去りにした。結構楽しそうだったしね。僕はその後、もちろん店だし、帰ってくるのは夜中なので素っ気なく一日は終わる。
そして火曜日昼、タケが言ってたことを思い出す。24日のワールド戦に先駆けて、神戸ウイングスタジアムで視察を兼ねてSteelersのトレーニングがあると。「志賀さん、2時からだから……体育会系は1時50分でお願いします」（これ、タケの口調知ってるヤツ、みんな真似できるやろな）。その時間に行ってどうなるねん、というわけで、僕は母親を「なんやのん、このウルサイ車！狭いわぁ〜」と言われながらもTVRキミーラに乗せてスタジアムに向かった。
時間はもう15時前だったが、地下の駐車場に入るとあるわあるわの神戸製鋼選手の車だらけだった。伊藤剛臣の安直なナンバー「8」の車の横に停める。苑田も「9」やな。法政大学はこれやからねぇ。僕のナンバーくらい頭を使えってぇの。志賀敏哉で「1048」……まぁ体育大卒もこんなもんや。
そこからの階段で増保に出会う。母親が「男前やわぁ〜スリムやし」と近付きそうになるのを僕は止めた。ヤツの大人の応対に有り難く思った。地上のスタジアム、正面まではグルッと歩く。スタジアム内のスポーツジムには神戸の選手がこっち向いてランニングやフリーウェイトやらやってる。吉田明と藤に笑われたが、快晴の太陽の照り返しで、ウインドー越しに他に誰がいるのかさっぱり分からない。ただでさえこっ恥ずかしいのに、母親とそぞろ歩きはこそば痒く思えた。見られてる照れくささで、少し離れて歩く自分がいた。
受付からちょっと覗くと大畑大介が近寄ってきた。「志賀さん、明るいとこ似合わへんなぁ〜」と中道が笑う。「俺に構わんでええ」と他の選手にも促し、目的のカフェに行った。芝生が目線のゴール側にあるレストランだ。ここはスタジアムが見渡せる、なかなか壮観だ。
二人してお茶を飲む。「佐川さんともゆっくりしゃべれたし、神戸製鋼の人も見られたしよかったわぁ〜」と京都弁で話す相手に、気恥ずかしいが、なんとなく孝行している気になった。
帰る駐車場、ガタイのでかい首の太い男が歩いてきて僕に気付く。元木由記雄だ。「いつもお世話になってるんですよ」とイカツイ男が母に笑った。彼の気遣いに、僕の顔も緩む。こいつらは嬉しいね。本当にウレシイよ。
そして、母はというと……
僕はすぐにそれを止めた。
「ファンなんですぅ〜」とまた身体に触りそうになってたから。
※「志賀」本日のコトゲンゴンその46《一（言）・提（言）・一過（言）》
【カフェで迷わず「ホットひとつ」と注文したが、言葉はちゃんと使わないとイケナイな ホットペッパー持って来られても文句言えへんもんなぁ 「お待たせしました」とホットパンツ履いて来られてもなぁ〜……そら、アリやな】
※ラブリー志賀の「干しぶどう日記・41日目」>>>キッカケはコチラ！
【来たお客様、誰もその存在を知らず……『残りあと67レーズンズン』】
※加納町 志賀とはどんなヤツ？
【>>>プロフィールとバイオグラフィー（一部）はこちら……】
|
