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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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日曜、大分寝たんだけどスッキリしない。意外に店に立ってる方が、自分のペースができている。リズムっていうかサイクルというか。そういうのって、自分では解らないもの。でもお客様に言われて納得したことがあった……。

土曜日夜中、一人で来ていたハルちゃんは、チョイと素っ頓狂な甲高い声で話しをする子だ。ピンクの電話の細い方や水森亜土みたいに「つくってる声」だと思ってた。そういえば僕も言われることがある。電話の声は嘘臭いと。「志賀でございます」と出る声が低すぎるらしい。でもそれはつくってるんじゃない。弁えているのだ。そうなのか?まっ、それはどうでもいい。

一人で初めて彼女が来て、その声はウソじゃなく「そのまま」だと解った。ちょっとカウンターにお客様が何組かいたので、放ったらかしにしても過ごし方を知ってるし、その声からの印象では考えられない「大人の飲み方」でもある。「酔って大変な経験をしたことがある」とは前回聞いてはいたが、ココではその片鱗も見せずに、いい感じで過ごしてる。 店に立つ側から見れば放って置いても「安心できる人」と「できない人」がいるものだが、彼女はその中でちゃんと時間を楽しみ、僕の動きを見る余裕さえあったようだ。お客様が彼女一人になって、ポツリと言う。 「志賀さんには、志賀さんのテンポがありますね」

彼女は会社に勤めているが、同僚のお茶を出したり洗うときの「カチャカチャ」いう音には敏感だと言う。僕にもある。店に行っても店員の私語や、洗い場から聞こえる音、食器・カトラリーを落とす音などは雑音にしか聞こえない。その彼女が、僕の動きを見たときにそう感じたらしい。

「結構バーテンにしてはグラスをカンッと置くし、色んなモノを早い動きで片付けていくけど、見てて心地いいです それが志賀さんのテンポなんですね」

僕がホテルにいた頃は違った。サービス全てに「円を描くように」と教えられたし、その所作・振る舞いは流れるようにゆったりと、決して直線的ではなかった。バーラウンジにも、何回かの生演奏はあったがBGMもなく、シーンと静まりかえった空気の中で、ほとんど話さずサービスに徹していたことを覚えてる。

BGMのない老舗のバーも少なくない。しかし「お客様の会話がBGMだ」というのはどうも違う。あくまでそれらはバックグラウンドで、メインはお客様との会話だと思ってる。今はその時々のお客様の入りに応じて音楽は変えるし、会話のほとんどない日々は辛い。だからそれが僕のリズムでもある。

蝶ネクタイもベストも着ないで、カチカチッと自分のテンポで動く。
今の僕はつまり、演じてないんやと思う。


※「志賀」本日のコトゲンゴンその44《一(言)・提(言)・一過(言)》
【なぜか一気に「変態小説家コーナー」の小説を番外編としてアップした ナンで番外編かというと、結末も何も考えてなく、風邪にうなされる日々と、酒に纏わる本に目を通したことが切っ掛けでそんな書き出しになった 結構それは本質突いてて、僕のパーソナルが垣間見えるんじゃないかと思う お暇ならどうぞ】

※ラブリー志賀の「干しぶどう日記・39日目」>>>キッカケはコチラ!
【本日より店にあります お客様の試食感想はココで……くくっ、おもろそう】

加納町 志賀とはどんなヤツ?
>>>プロフィールとバイオグラフィー(一部)はこちら……

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