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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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金曜の神戸は寒いと言えば寒いし、暖かいと言えばそれほどでもない。温かい打ち合わせはあった。また僕のディレクションがカタチになった。「〜人と街をつなぐ情報誌〜トゥモロー」はこれから街のどこかに歩き出し、旅をする。
(欲しい人は送ってくれます>>>「トゥモロー編集室」サイトへメールを)

しかし今日のサブタイトルはダサイねぇ。「ウィ好きぃー」などとイマドキ、写真撮るときの「ハイ、チーズ」「イチ足すイチは『ニッ』」くらいに言わない。「すみません、シャッター押してください」と現地の人にカメラを渡したらば、そのまま写すポーズを一瞬して逃げ去ったナポリの男がいたという話を人に聞いたことがあるが、ここでは関係ない。ちなみに「We 好きぃ」ではない。誰もが好きなどと言ってもらっては困るからだ。この場合の「ウィ」はフレンチの「かしこまりました」の意味にでもしておこう。偶然の産物だけど。

「お前さんはバーテンダーで店主のくせに、酒の話が少ないんではないかい」

日記を評してそんな声もあったりなかったりする。でも確かに僕は酒を出す、酒場の主である。先日僕が中華を頬張ってたのが雑誌に載っていたが、その際にも校正段階で「店主」となってたのを「家主」にしてもらったし、政治と宗教の話はしないのがバーテンダーという定義からすればやはり、見事に僕はバーマンではなく家主である。「マスターは三宮にいっぱいいる」という理由から、マスターと呼ばれることを嫌うのも家主たる所以だろう。

家のような店の主が酒を語るのもチョイと胡散臭い話だが、本には載ってない知識ではない「知恵」の範疇で思い出してみる。僕の原点がココにある。

初めて出逢ったのが、キャビネットの中にあるサントリーオールドだったと思う。ジョニ黒もあった。ジョニーウォーカーブラックラベルは当時の高級酒だった。匂いをかいだ。父親の臭いがした。舐めてみた。オヤジの味がした。

まともに飲んだのは高校のラグビー部同期の部屋。2リットルはあるかと思しき、取っ手の付いたペットボトルの「RED」。カラメル色素含有と堂々明記の、純日本産洋酒もどき。回し飲みが大人に見えて、真似たら便器が友達になった。

大学ラグビー部の新歓コンパは、うどんすきの残った鍋に入れられたビール大瓶3本分イッキで、一気に嫌いになった。ビールは喉を潤すどころか逆流して、また便器の友達が増えた。二度と麦酒は飲まないと決めた。新入生同期との先輩の来ない隠れ家では、その反動か専らI.W.HARPERかFOUR ROSESの当然黄色いラベルだった。カティーサークがナンであるか、そして「俺はウイスキーは飲めないけど、バーボンなら飲める」という間違った恥ずかしい解釈の答えを、その頃はまだ知る由もなかったが、知る必要もないのが若者だと今は思う。

ホテルに就職。量は別として、万人に用意されたあきれるほどの酒類をとにかくひたすら味見する。ホントこんなところで働かない限り、比べることすら知らずに「コレが美味いから飲んでみろ」と年輩や金持ち、評論家に言われることだけを鵜呑みにしていたかも知れない。ロマネ・コンティが絶対ではないし、マッカランの、僕の中でのベストバランスが12年であったり、フェイマスグラウス12年が炭酸で割ると「情けない」味になることを知った。デュワーズの水割りが旨くできたときの感動は忘れもしない。水割りも立派なカクテルだと認識した。

そのままでは箸にも棒にも掛からないものが、少し水を加えたり、炭酸で割ったり、大きく溶けにくい氷に注いだりすることで「化ける」モンである。飲み方はそれぞれ、自分のベストは年齢と共に変わってゆくモノでもある。それを知る術として酒場が存在するのならば、それに荷担する僕はさしずめウイスキーの伝道師か。違うな、僕は道筋を見せるだけの轍だ。決めるのは、その人自身だ。

酒は「出逢い方」で変わるんだと思う。そうか、僕は「やり手ババア」みたいなもんか。「あとは若い人にまかせて」ってなことか。(どっちも死語やな)

つまり、まだまだ解ってへんからおもしろい。語るより飲め、やな。


※「志賀」本日のコトゲンゴンその42《一(言)・提(言)・一過(言)》
【酒に終わり無し 分かったときから悩みと共に、また新しき出逢いアリ】

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加納町 志賀とはどんなヤツ?
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