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金曜日朝の5時、まだ店にいる。大阪からの男5人。さっきまで語り合い、遊んだ。また大阪に行きたくなった。彼らとの再会が楽しみだ。
>>>9/19「少年のコルクのように」で書いた、関西障害者定期刊行物協会発行の神戸情報誌「トゥモロー」編集室に昼、打ち合わせに行って来た。ある程度誌面の表紙レイアウトのカタチは決まってきた。神戸出身のイラストレーター・ワックンの題字とイラスト、オレンジ色と白色のメリハリの利いたレイアウト、チョイと仕掛けのある見開きページ……いいものが出来上がりそうである。
僕はその編集室が好きだ。中の雰囲気はその日の日記に書いたとおりだが、まず第一に皆明るい。笑ってる。そんなオフィスは少ないものだ。難しい顔をしてPCを睨み付ける人や、仕事を辛そうにこなしている切羽詰まった人などいない。何かを創り上げるということは、そんな純粋なところから生まれてくるもののはずだ。しかし今の世の中の機構はそうではないようである。
ソコが好きな理由はもう一つ。打ち合わせをする担当の方はもちろんいるのだが、オフィスの真ん中にあるテーブルで僕がPCの画面で提案をすると、皆作業の手を止めて見に来てくれる。そこには、車椅子の人もいれば、ヘルパーの人、編集部員の人様々だが、皆真剣に画面を見つめ僕の話に耳を貸す。これも一般的な企業、特にそれが大企業ともなれば社長の顔すら知らないまま事は進む。使う側と使われる側、クライアントと下請けなどという一方的な構図、それがビジネスの現状だとすれば、今こうして打ち合わせをしているココでは「共に創り上げる」感が沸々と湧いてくる。この編集室、そこの人々が好きだ。
あちらから追加の提案があった。この情報誌は無料配布である。それを明記して欲しいとの事である。僕は最初、表紙の右下に「無料」と明るい色の文字でポップなフォントを使えばいいとだけ思った。「一応○○さんが作ってたんですよ デザイナーさんに見せられるもんじゃないんですけど、こんなイメージで考えてくれませんか」車椅子に乗る若い女性が何時間も掛けて創り上げた、星のイラストを並べて「0(ゼロ)」を型どり、その中に「タダ」と書いたデザインを見せてくれた。
作った本人は恥ずかしそうにしている。
そして僕の言葉に、一瞬皆が驚いた。
「色や線の細さ、フォント、若干のレイアウトの変更はあっても、基本はこのデザインを使いましょう」
これには意味がある。どこの誰だか解らないデザイナーが作っただけでは皆に伝わらないが、この表紙にはストーリーがあるのだ。「編集室にいる○○さんの作品なんだよ」って話が広がってゆく。まさに「共に創り上げる」だ。
「やったー!○○ちゃん、デザイナーデビューやなぁ」
まさか!って顔のあと、みんなまた笑った。
所謂オイシイ仕事というものは、顔の見えない仕事が多い。提案したものに対し担当窓口に好感触であろうが、トップダウン・鶴の一声で簡単に変わることもある。こちらの想いより、アチラの考えが中心となる。そんな仕事は、仕事をした気がしない。だから相変わらず個人の名刺を作ったり、店のロゴを考えたりすることも引き受けたりしているわけだ。この編集室のお仕事も全力でやる。
その後担当の方から、涙が出そうになるほど嬉しいメールが届く。
「追伸 デザインが採用された○○は大変喜んでおりました 一日中ニコニコしていましたよ」
あの彼女の笑顔を思い出していた。顔が見えるってのはそういうことだ。
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