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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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ラグビージャパン沖縄合宿地より、部屋から見た風景写真を携帯から送ってきた選手がいた。「こっち」の景色と「向こう」との違いは、街並みと水平線がほぼ平行に見えるということだ。都会では考えられない。また沖縄に行きたくなった。

家で入れる珈琲がここ2〜3日旨くない。体調もそう悪くないし、味覚にも変化はない。ましてこの豆はいつも僕が行く店のモノだ。「もしかすると……」僕の店でも「味わい」の抜けたシェリーを指摘されたことがある。この豆も焙煎の具合なのかナンなのか解らないが、工程に手違いがあったのかも知れない。今度行ったら言うべきか否か。なんて考えていたら、30日火曜日、昼に入れるといつものように旨かった。これはどうしたことなのだろう?

そして車を走らせた16時半。まだ間に合うと思い電話を掛ける。いつものお好み焼き屋の斉元さんは、快く遅がけの来店を引き受けてくれる。到着すると、すでに焼きそばはいい感じにでき上がっていた。一緒に電話で注文したお好み焼き・油カス入りも間もなくできて、暫し語り合う。

ここの「そば」はとにかく旨い。聞くとずっと開店以来業者は変えてないという。もちろん味あってのことだが、おばちゃん曰く「あそこは義理と人情もあるからねぇ」だそうである。変わらん味とおばちゃんがいる。義理と人情の加味されたそばには、どんな調味料も敵わない安心がある。そういえば先日取材を受けたときにも、その舞台となった台湾料理店のお母さんが言っていた。
「ずぅ〜とそのそばは同じところで作ってもらってるのよ」って。

話してて解った。僕の入れた珈琲が不味かった理由がである。いつもよりゆっくり蒸らし、時間を掛けて円を描きながらポットからの湯を細く注いだ……確かにあの店ほどではないにしろ今日のは旨かったわけだ。その2、3日前はというと、時間のない中を急いで入れてしまってた様に思う。余裕なんてない。

何かを作る、提案する、パフォーマンスを見せる……人でそれらは何杯にも膨れ上がっていく。街に店がある意味ってのは、家とは違う「人情」や手間を惜しまない「愛情」を目の前の『人』に注ぎ込むことなんやなぁって思う。珈琲もそうやって蒸らし膨れ上がって注ぎ込む。旨くないはずがない。

独りでいる家で満足できなくなったとき、もう既に気持ちや口は義理と人情が溢れたお好み焼き味になったり、珈琲味になったり、中華味になってたりする。だから今日もまた、僕は店に足が向いてしまうのだ。

あなたも「BAR味」になったのなら、覗いてくれればいい。


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加納町 志賀とはどんなヤツ?
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