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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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火曜日から始まったせいかもう木曜日、強い日差しの神戸である。

長田の飲食店「中華・和食 ラーメン・うどん」の至極明解な看板を横目に車を走らせる。日本ほどに、どこの国の料理も混在する国は珍しい。しかし主張は少ないな。洋風居酒屋・無国籍料理・創作料理・フレンチイタリアン……なんでも置けばいいってもんじゃない。ウチもするかな「カラオケショーパブダイニングダンシングオールナイトバー志賀」に。するか!あほらしっ。

長田に行ったのは、関西障害者定期刊行物協会発行の神戸情報誌「トゥモロー」編集室に行くためだ。プロジェクトブレーンで関係している>>>「KOBE HYOGO 2005」委員会のご紹介で知り合った縁で、この刊行誌レイアウトやユニバーサルマップの制作に携わることとなった。そして初めて編集室にお邪魔したのだ。

PCが10台以上あり、輪転機、大判のレーザープリンターも備える、その辺のIT関連事業所並みの設備が整ったそこには、車椅子を使う障害を持つ何人かの方が黙々と作業をしている。彼ら自らの手で震災以後この刊行誌は継続して出され、今では官公庁・郵便局・駅・新聞社・商店街に10000部に置かれ、1100部が郵送されている。この人々の明るい笑顔と整頓されたオフィスから僕は「頑張って」と手を差し伸べるのではなく、「一緒に仲間の一人として」この刊行誌に関わりたいと思った。やはり現場の空気はイイもんである。

その後六甲のワイン屋さんに着いて用事を済ませ、車のエンジンを掛けるもセルモーターが回らない。バッテリーが上がったのか。ちょうど近くにいつも見てもらってる工場があるから迎えに来てもらう間途方に暮れていると、ワイン屋の前の瓶置き場に落ちていたコルクを一個拾って、嬉しそうに握りしめ持ち帰る少年に出会う。コルクくらい僕の店でもゴマンとあるのに……と一瞬思った。

小学校か中学だったか僕も、今から思えばナンの役にも立たないのに拾い集めた色んなモノがあった(多分このサイトを見ている大人の皆さんにもあるはず)。何かを少しずつ集めることって、決して大人の財力「大人買い」では味わうことの出来ない、実はとても得難いことだったはずだ。大人になればなるほどに、そういうモノってお金に限りなく近づいてしまう寂しさがあるよなぁ。

どんな思いであの少年がコルクを持って帰ったのかは分からない。でも、無くなっても探さない、古くなった・壊れたから新しいのを買えばいいという今の風潮(いや大人はみんなそうかな)に、やはりあの嬉しそうな笑顔は尊く映る。

そう言えば編集室で見た光景と手作りの情報誌も、少年が握りしめたコルクのように温かく見えた。 もちろん僕の好きな車も、色んな事・物も、一握の砂ならず「一握のコルク」と思っていたい……あぁ、人もそうやね。


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加納町 志賀とはどんなヤツ?
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