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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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海にも行けず、プールにも行かず……まるで二宮尊徳のように時は過ぎて、説得力のない日焼けの僕の8月も、もう終わろうとしている。

偶然だな、と思うことがある。店に、京都の僕と同じ小学校出身の方が二人来たことがあるし、過日のテレビ出演の際、ディレクターさんは高校の一つ上だった。一般にあまり出会ったことがない「1月1日生まれ」のお客様が9人もいる。昔付き合っていた女性が突然訪ねてきたこともあった。僕が店をやっていることを知らないのに、お客様に連れられて。しかも今までに3人いた……。

このサイト日記を夕方の喫茶店や店の早い時間に書くと、その日の店でお客様がその内容に似た話をすることも多い。僕が無言の電波を発しているのかも知れないが、不思議なもんである。表情からそんなことまでは判らないとは思うが、今週の僕はイケてない。理由はハッキリしているが、なぜそこに到ったのかはハッキリしていないから少し悩んでいる。すると察したお客様が言った。

「悔しいと思う気持ちが無くなったら、現役は終わりだよ」

ゴルフトーナメント運営会社の代表は、ゴルフ以外にも囲碁で同じような感覚を持っている。悔しさを表に出さない人間は、隠居したことと同じだとも言った。生涯現役を通したいもんだ、と店を出ていったこのお客様に少し救われた。

程なく同じカウンターの席に座った、お一人。若くして大手住宅販売会社大阪支店長であるこの方は、端から見れば安泰で、何不自由もない立場に見える。しかし店に入ってからもまだクレーム処理の電話に追われ、「悪い情報を先に伝えろ、お客様が第一なんやぞ!」と忘れがちなイデオロギーを情熱一杯に伝えていた。このお仕事が好きなのが、容易に解る。その方がもうすぐ独立するという。

無責任には辞めない。人を育て、想いを残し伝えて退く。しかし隠居ではない。ただ淘汰された業界と今の「現場に入ると気を使われる立場」に、現役にこだわりたいと新しく会社を興すそうだ。大人になるほどに、もがくことなど忘れてしまう。子供が突然水に投げ込まれ、もがき苦しむことは『生きるため』だ。この業界でまた「生きるためにもがきたい」と願う人である。

第一線で活躍する人は輝いている。そして形は変わっても、その『本質論者』たる姿は生涯現役である。同じ日に「現役にこだわる」お客様が二人。また感じた偶然に、生きるためにもがき苦しむことを改めて選ぼうとしている、僕がいた。


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