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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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月曜の神戸は快晴であった。海でも行きたい気分ではあったが、そんなときに限って朝から三宮にいた。今関係している、旧居留地の物件についての情報収集である。華僑のこの辺りに詳しいビルオーナーに話を聞いていた。加納町のバー店主が、何をやっているのだ?とお思いの貴兄・貴女もあろうかと思う。
あははは、僕もそう思う。

以前インド人のお客様にも同じ話を聞いたことがある。彼らは日本人以上に日本、ここ神戸を愛しているという自負がある。「いや私たちの方が好きに決まってる」と言う生粋の神戸っ子もいるだろう。お気持ちは解る。しかし考えてもみたまえ。日本人が知る以上に、難しいことわざを話す外国人を見たことがあるはずだ。「ボロは着てても心はコニシキ」と言ったデーブスペクターは知りすぎとしても、神戸に生まれ住む彼らは日本をとてもよく知っている。

神戸が居留地が、どういったストーリー・バイオグラフィーを持つのか。神戸への想いと共に、外国人である彼らにして「神戸人としてのプライド」を感じさせながら熱く語ってくれた。そして僕も色々考えるところがあった。

その後他の用件を済ませて、メリケンパークへ行く。12年住んでいて知らなかったが、あそこには芝生がある。たまたま選んだ場所だが、ここからは「神戸のほとんど」が見渡せる。ランドマークとして高名なホテル、埋め立て商業施設ハーバーランド、赤いポートタワー、夜にはライティングされる山々、車中から風景が見えるように外壁が低く作られた阪神高速、観光客と思しき人々、そしてもちろん突堤の向こうには海……今と昔が共存する場所である。

芝生に座って、スケッチブックを取り出して暫し物思いに耽る。暑いので、自らSPを買って出ているヤクルトTシャツを脱いで、少し怪しいオッサンになっていた。蝉の声が自然な日差し、芝生を家族が横切ってゆく。鳩がたくさん歩いていて、小さな女の子が近付いても飛ぼうともしない。思えば、鳩がいる場所はどこも平和で厳かだ。「神戸のほとんど」が在るこの場所で、活字にすれば陳腐な『平和の象徴』がここにある。

僕は今旧居留地で、ある外資企業のオフィス・レイアウトやコンセプトデザインに参画しているのだけれども、外観は昔ながらに、中に入れば近代的にハイッテクなデザインをイメージしていた。でもちょっと違うような気がしてきた。京都にもそんな風な町屋を改装したレストランバーやブティックがあったりするが、そんなのが時代との共存だなんて思わない。非常に難しい課題だが、そこになければならない意味、神戸でないとイケナイ何かを表現すべきなのだ。

僕はその「何か」を見つけるために、またあの芝生に座るのだろう。


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加納町 志賀とはどんなヤツ?
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