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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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梅雨も本格的に、いつまでたっても止まない雨のせいで閉店後店にいる。別に帰ってもいいんだけれど、僕の車は極端に雨に弱い。イマドキFR、フィンの開いたボンネット……雨宿りのつもりで、午前3時、まだ店にいる。

先日の写真家・敬文クンの話(>>>6/19「忘れないための自分」)ではないが、僕だって自分を見失いそうなときがある。思いも寄らぬ仕事のアプローチに有頂天になったり、「テレビ・雑誌に出ませんか?」などと誘惑もある。しかし頑なに「自分」を忘れないために、思い出すことがある。僕の場合だと、店のオープンに当たっての「コンセプトシート」だったり、初めて「いらっしゃいませ」と言った日のことだったり、神戸に残って足跡を残そうと決めた震災の日だったりする。事あるごとに思い出せるそれらに、アイデンティティは守られている。

店に遅がけに来たお客様は、コピーライターやデザインに携わる仕事に就く面々だった。店に入る前の早い時間に大負けに負けたビリヤードに、不機嫌な顔を隠せなかった店だったから、早く閉めようと思ってた。でも1時過ぎ、この3人を向かい入れたことで、少し救われた気がする。
そのコピーライターの女性が、こんな話をしてくれた。

彼女はある日、電化製品を買いに行った。そこにメーカーから研修に来ていると思しき男性が接客をした。ところで突然だが「ピチョンくん」をご存じか。唄やノベルティまでにも展開した、エアコン結露をモチーフにしたヒットキャラクターである。その売り場にも、グッズやシールが展示してあって、彼女はそれが欲しくなった。その男性にそう言うと、彼は自分のスーツのポケットの中を見たり周辺を探したがどこにも見あたらない。切らせてしまったようである。

彼は「ピチョンくん」のメインキャラクターメーカー本体の社員であっても現場販売担当ではなさそうで、ノベルティを望むのも酷であったのか?それを探す労力も持ち合わせてなかったのか?まさか剥がしたシールをもらうわけにはいかず、結局買った商品を送ってもらう手続きをして帰った。

後日、彼女の家に商品が届く。それとは別梱包で、見知らぬ箱も届いた。「誰?」恐る恐る開けた箱の中には「ピチョンくん」グッズが一杯入っていたそうである。中の手紙には、その日違うフロアでそのグッズのフェアがあったことが後で分かったこと、彼が新人で、接客して初めて売れた電化製品を買ってくれたのが彼女であったことなどが認められていた。

小さな約束を守ることが出来る人は、素敵で信頼できる。その彼はずっとその日のことを忘れないで欲しいし、この話を店でしてくれたコピーライターの彼女は、そんな気持ちを思いだし、今の仕事に取り組んでいるのだろうと思う。

自分にとっての、忘れない原点の記憶。僕も改めて思い出す日となった。


※本日の志賀・ヒトゴトではないヒトリゴト
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