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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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梅雨入りが宣言された関西地方。去年は日記によると6/11に梅雨入り(2002/6/12「ハッピーバースデイ・梅〜雨〜」参照)だったから、同じくらいだな。どうりで起きるときに体がだるい。後遺症をこんなカタチで知るのは辛い。ラグビーなんて野蛮なスポーツは、僕には合ってなかったのかも知れない。これからは、世界ランキング12位に上がった杉山愛に敬意を表して、テニスボーイ(死語)だったことにしよう。神戸製鋼・伊藤剛臣も「先輩」なんて人前で俺のことを呼ぶな。同類と思われたら困るぞ。これからは「憧れの人、手の届かない人」と崇めたてまつれ。ぷぷぷ、無理か。

とうとう髪を切った。2ヶ月は経っていたと思う。月一ペースのヘアカットを心がけてた僕としては、かなり我慢の限界だった。首もとが暑いし、ビリヤードもカチューシャなしでは、コサックダンスも出来ない(カチューシャとロシア民謡を掛けたのね)。あまりにうっとおしかったので、日曜サッカー観戦後、風呂場で自分で切ってやった(襟足だけね)。見えないだけに、ええかげんだったが涼しくなった。でも前髪は流石に切れないでいた。

とは言え、素人がこんなものに手を出すもんじゃない。海外のテレビ通販でやってた、掃除機のノズルみたいでカッターが回ってる「切っては吸い、切っては吸う」ヤツもお手軽なのかも知れないが、やはり「手」には敵わない。もちろんそれは「職人の手」のことだ。案の定僕の襟足はハネてるし、どう見えてるのか不安でもある。で、美容室に行った。

ここは、店のお客様が連れてきた美容師さんのいる店で、おそらく僕は「志賀」で知り合わなければ一生足を踏み入れることのない店だったと思う。理由は簡単、男性客はほとんどいないし、オホホ系のおばさま達が多そうだからである。同じフロアにあるESCADEやgennyなんていうブランドを見ても、若い人は買わない(買えない)ブランドだから、ここもそういう人が多いようだ。

知ってる人がいるだけで、まず行かない場所に極自然に座ってる。以前行ってた、ホテルの美容室もそうだった。それはどこかで書いたな。あの、お色直しの花嫁が入ってくると僕は放っておかれる、ちょっとオカシナ場所だった。どこの男が、文金高島田の横で髪を切る?新郎やあるまいし。お陰で、僕の新郎実現も遠退いた。(そんな理由か?)

2ヶ月以上ぶりにそのオホホ系の店に行くと、僕の担当、同い年の渡辺さんが立て込んでいて「今日は、ジュンジさんが切ります」と言う。山野純治くんは、ヴィダルサスーンの賞も取ってるし、所謂カリスマ美容師としてテレビや雑誌にも出ている、ちょっとドンドコドンのグッさんに似たナイスガイ(死語)である。まっ、僕も加納町で唯一のカリスマ・バーテンダーだから(唯一ってトコがキモだ)似たようなモノか。ともかく彼が初めて切ってくれることになった。

全国色んな所にあるこの店。月に一度、完全予約で彼は神戸にやってくるのだが、偶然の再会に「太ったね」と言ってしまう失礼な僕である。忙しい彼だから僕の店にも久しく来てはいないが、いつも言うようにそれでも通じ合える関係は存在する。しょっちゅう会ってないと不安だなんていう関係ほど、希薄なモノだと解ってる。懐かしくもあり、安心できる顔だ。

長くなったので結論を急ぐと、彼は「巧い」……小手先ではないテクニック、お客様とのスタンス、こちらの表情を感じながらの対話、その身のこなしに大満足であった。家で飲む酒と「何か」が違うからバーが存在するわけで、彼らはやはり職人であった。 うっとおしかったとは言え、素人の僕がハサミを入れたことが、ナンだか申し訳なく思った。

「職人の手」は、深夜通販なんかが手の届かない遠いところにある。
でも、僕にとっては近くにいてくれる。それは、嬉しいことだ。


※本日の志賀・ヒトゴトではないヒトリゴト
【医者、時計屋、スポーツ選手、料理人……この人達も僕の近くにいる職人だ】

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