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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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終日雨、そんな日に来ようとしてくれたお客様を、私用でお断りしたり、ちょっと外出している間に来た方を帰らせてしまったり、ホント申し訳なく思う。そんな日には、自責の念を込めて「あるお店」を紹介して償うことにする。

どこかに書いたが、僕は基本的に甘いものを食べない。もし食べろと言われたなら、京都下鴨の爺ちゃんの家の近く、小さい頃を懐古出来るバイカルのショートケーキか、山科の予約売り切れ御免のわらび餅なら食べられそうである。しかしそんな僕にも、アレにはまいった。忘れていたんだけど、店の暇な時間に見ていた雑誌の特集・与謝野晶子を見たときに思い出した。

大阪・堺は、与謝野晶子の生家であり、千利休でも知られる、自由貿易・鉄砲製造の名残など多彩な歴史の街である。堺に住んでいるお客様が、手みやげに持ってきてくれた和菓子がある。それは陶器でできた器の中に入る、くるみ餅というのだが、その特徴ある器の写真が目に飛び込んできたのだ。それは確かに、あの器で、僕が旨いと心底思える和菓子だった。

それは創業元徳元年というから、1329年、今から770年余の歴史がある老舗「かん袋(072-233-1218)」のものだ。現在は27代目店主で、阪堺線・寺地町電停の近くに店はある。久留美餅と書くのは、木の実のクルミではなく、餅をくるむという意味だ。うぐいす色をした餡で餅をくるんだ菓子、その器には溢れんばかりの餡の中に、餅が幾つも沈んでいる。通販は、やってないと思う。

その味も格別なのだが、更に味のあるその器に、僕は捨てられずに取って置いた。レトロな、セピア色にも近い蓋の付いた器。その器は今、店のシガー用のキャンドル入れになっている。

もし堺に行く方がいたら、ぜひ買って、味わってもらいたいものだ。
そしてもちろん、僕へのお裾分けも期待している。


※本日の志賀・ヒトゴトではないヒトリゴト
【サイト日記を始めて2年が経った メールを戴いた方、花をくださった方、店に来てからそのことを思い出しこれ見よがしに「おめでとうございます」と言った、賢太&タクくんありがと ともかく、なんとか2年が過ぎて、でもまだまだ満足いかない自分がいて、これはしばらく終わりという文字は無さそうである】

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