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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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一粒で二度美味しいとは、江崎レオナではなく、江崎グリコのランニング万歳シャツ男のコピーである。火曜日は、一日で両極端な天候、ここ神戸である。

午前中は異様だった。降りしきる雨だけではなく、台風かと思われるほどの荒れ模様、思わず風音に起こされた。貴重な午前中の睡眠を妨げられたわけだ。しかし見事に午後からは晴れ渡る。その清々しさとは対照的に枝が見え隠れする桜並木に、「あぁ、今年も花見というやつに行かなかったな」と感傷的に、チョイトおセンチになってしまった。(その通り、死語である)

8日の日記を見ていただいたことだろう。初めての試み、代理日記である。第一回はお客様であり、ブレーンであり、よき理解者でもあるブースカ・O氏にご登場を願った。お忙しい身に、一方的に前触れもなくお送りした早朝メール、しかし見事に答えてくれた。流石である。

僕の中では、もうすでに何人かのリストが挙がっている。もちろんそんなことに頼りながら「書かない」のは本意ではないし、「書けない」ときの助け船としてはもちろん、皆さんに紹介したい人々がいることには間違いないので、追々登場願うことにする。皆、素敵な面々だ。

昨日はなぜ書けなかったのか?『この書けなかった理由を書け掛けなかったのは、欠け賭けなかったから、書けなかったのである』と早口言葉のように言ったところで、理由なんて単純なモノである。少し寂しいことが重なってブルーな月曜日だっただけだ。それがいいのか悪いのか、近頃の僕は活字にそれが現れるようで、で、止めたのだ。

日記を代理・代打・代走願ったO氏が早速火曜の店に来てくれた。お連れ下さった男性は、いつか一緒に行こうと誘ってくれて休みだった料理屋さんの店主だった。実はその日は休みじゃなくて、気まぐれで開き時間が遅れることもある、なんて笑っているその人に、どこか近いモノを感じた。

やっと逢えたのに、その男性は38歳(僕の歳だ!)で脱サラし15年やってきた「季(とき)の料理」店を、後継に任せて新しい挑戦をすると言う。

「わし、また若い奴らにどつかれたいねん」

今の生活、今の店に満足しようと思えば、簡単だ。店には若い人間も育ったし、オーナーとしての椅子もある。でも新しい世界、限りある食材や予算の中で満足してくれて、また明日の学業(会社)に頑張れる……そんな「寮」の食堂のオヤジさんを1人でやってみたいと言うのだ。「どや、旨いやろ」と寮生に全身で投げかけて、「もっとこんな味で、こんなん食べたい」と返ってくることもある。それは世代やヒエラルキーを越えた、街では経験できない世界だ。

寮の食事が美味しくなかった僕の経験で、こんな料理人が志しを持って創り出す料理を今の内に食べに行かないと、と思った。この人が食事を提供する寮に、寮生とその田舎の両親が、にこやかに食事をする姿を想像できたからである。


※本日の志賀・ヒトゴトではないヒトリゴト
【まだもうすぐ8年 続ける糧はこんな日にある】

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