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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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木曜の店のこと。突然意中の相手からの電話が鳴って話した後、喜びの涙を見せた女性……自分たちのチームの首脳陣との温度差もさることながら、選手間の温度差に危機を感じている現役スポーツ選手……書きたい内容には事欠かない素敵な日ではあるが、今は「あのこと」で胃袋に熱いものがある………。

27日の更新はサボタージュである。理由は、午前中には大阪に行かなければならなかったからである。相変わらず、電車は苦手で似合わない僕であった(2/24日記参照)。 午前・梅田での打ち合わせを一件終えてすぐさま、地下鉄に乗り南森町に行く。通称「ナンモリ」と言ったのは誰なのか定かではないが、軟弱な森久美子くらいにナンモリである。だから僕も倣ってナンモリと言っている。「何のつもり」略してナンモリでもいい。インド料理屋でインド人に「これは何ですか」「それはナンです」「だから、これは何ナンですか!」「だから、それがナンなんです!!」と繰り返した、まだ若かったあの日のインド料理・初デートを思い出す。インド?……そうだ!大阪には「カレー」を食べに来たのだ。

長い前振り、前説ではあったが、僕はある覚悟をしてナンモリに来ていた。昨日の日記を書かなかったのも、体調を整えるためである。結局4時間も寝られなかったが、小春日和にも助けられ気分はいい。そして確かに緊張していた。それは僕の店での、ある日のこんなお話から……。

「一口目に、スプーン持つ手が震えるんですわ!」 「ルーをテイクアウトして夜中、家で食べたら眠れなくなった」 「怒って帰った人がいる」……
修吉くんは、さも得意気にクリンとした目を見開いて言う。

「一緒に行った女の子が翌日、経験のない鼻血が出たそうです」と、続ける彼の話を半ば僕は既に「大袈裟なネタ」として認識していた。彼は今まで「一番大事な人を連れてきました」と何度も人を連れてきたし、過日の日比野克彦氏の個展・京都の帰りの満員JR新快速車内で立ったまま、延々ユダヤについて語り続ける変わった奴だ。「僕はここまで知ると、狙われるかも知れません」と言いながらである。とは言え、その個性的なカレーの話は非常に興味があった。

昼の2時間だけ営業し、人が後を絶たない。とにかく辛い。でも常習性の如く病みつきになるという。ポケットには胃薬を忍ばせて、僕はナンモリから少し南に歩き、その店の前に集まる彼らの元に歩み寄った。

満席の店内に少し待つ。カウンターは10人も入ればいい方だ。皆無言で食べている。行列は大袈裟だが、ひっきりなしに人は来る。一緒に行ったメンバー、その日にニュースを読まなければならないキャスターの子は、実はカレーはあまり好きではないのに、興味、そそられる体験にここに来ている。席が徐々に空く。レディーファースト、3人の彼女たちが座る。

僕は順番を緊張しながら待っていた。そこで見た。その彼女は一口食べて、確かにフリーズした。強制終了(一点を見続けて黙食)が必要となった……。

僕の番が回ってきた。結論を言うと、僕は汗と涙が出ながらも最後まで水も飲まずに平らげた。僕の持ってきた胃薬を飲んでいたのは、僕以外の人だった。旨かった、また食べたいと本当に思う。前情報で聞いた症状もなく、非常に満足した。唯一、日常のカレーでは起こらないことと言えば、こめかみから後頭部にかけての、なんとも表現しにくい「締め付け」が今も残るくらいのものだ。

「ハチ」の一刺しにやられた、と言ったところか。


※本日の志賀・ヒトゴトではないヒトコト
【スポーツの話 チームをブランドとして捉えるか、自分をブランドと思うか その選手達が同じチームなら、その時点でその組織の歪みを矯正する必要がある その試合ユニフォームを着てフィールドに出るときには「当然勝つことが使命」と思って戦ってきた選手と、それを着てそのチームの先輩選手に緊張感を持つ選手とが、そのコート内の仲間・同志には成り得ない 経験を伝えることも継承し続けることも、さもあり「難」、ということなのであろう】

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