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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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少し暖かくなった日曜日。慣れないJRに戸惑いながらも、新快速に乗る。1人で乗る満員電車の苦手な理由に、初対面の人が隣に肩寄せ合うという不自然さがある。エレベーターほどの狭さではないが、息苦しくて突然に叫びそうになる。更にそこで座ると起こりうる、「他人が僕の肩で眠る」状況は如何ともし難い、その対応に色々考えてしまう……考えてしまう自分に嫌気がさしてくる。

と言いながらも僕は以外に優しくて、突然動いたり、肩で頭を小突いたり、「ウウンッ」とわざと咳き込んだりはしない……と言うか、やはりそう思うとそういう状況になるものである。コイツはどこまで乗るのだ?と思った芦屋を通過した頃から、僕は思い切った行動に出ることもなく、周りからは「ゲイ?」と思われても仕方のないラブラブカップルシートで、電車に揺られてゆく。大阪を過ぎ、近頃は高槻にも新快速が止まること知ったその瞬間、僕は上体を前にやる。

おそらくその勢いでテレビガイドを持った怪しきその男は、所謂「ガクッ」となって、真っ直ぐになって座るはずだ。いや、そうあるべきである。何のために二人用の席があるのか。寝不足の僕は京都まで、夢心地の小旅行を楽しむはずだった。このままではただの、イイ人である。

予想に反しその男は「ガクッ」となるどころか、僕の背中に頭を乗っけてしまう。これはかなり異様な姿である。通路に立った人々にどのように映ったか、そんな恐ろしいことを確認することもなく、僕は小学生が遠足のバスで気持ち悪くなったの如く、前席背もたれに額を近づけながら到着を待った。

かくして僕は京都まで「考える人」のポーズを取りながら過ごし、
この見知らぬ男と一緒に京都に降り立った。

だから電車が嫌いなのである。


※本日の志賀・ヒトゴトではないヒトコト
【「What what's ART」……京都に行ったその目的は、日比野克彦氏の橋をモチーフの個展・レセプションに出るためだったが、その席で「アートって何?ということを考える」という、少しねじれた発想に意味があるとの話があった 4歳の子供が大人の靴のカタチを見て「ワニだぁ!」と興奮して8歳のお姉ちゃんに伝えたが「ワニに見えない」と一蹴したシーンに遭遇したときの話もおもしろかった 日比野さん自身も4歳の時に岐阜の橋で、両端にある実家と友達の家のその橋の真ん中に立ち、双方の帰りを待ってから行く方向を決めようとした その橋で「僕は1人なんだなぁ」と気付いたという アーティスト・日比野克彦氏は子供達を相手に今、アートの芽生えと気付きを探してワークショップという移動学校で全国を飛び回っている

大人になるつれて個性を掻き消す世の中と、アートってのは対局にあるようだ

あっ、そうそう 僕のワインを差し入れた 「えぇ!志賀クン、こんなデザインもやるの!」と日比野さんの驚きの言葉だけでなかなか満足したが、また飲んだ感想もリサーチせねばならないな ワイン通販決定です!!】

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