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■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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今年は毎日ルミナリエを見ている。見に行っているのではなく、横切るためだ。人混みを傍観視しながら旧居留地に仕事で行くことは、僕にとって義務とも感じないし、とても楽しい日々である……。


以前に書いたが、この季節は車をマンションの駐車場に入れる際に、気を付けなければならないことがある。ネコである。猫はコタツで丸くなればいいものを、さっき帰ってきたと思われる車のボンネットの余熱で、それは気持ちよさそうに丸くなっているのによく出くわす。

僕はイジワルではないが、汚れた足で僕の可愛い彼女のような愛車(そういえば、フジワラくんの猫はアイシャという名だな)に、文字通り土足で踏み入られてはかなわない。この日も起こさないように広い駐車場に入り込み、ギアをバックに入れて静かに入庫する。真正面の黒い車には、僕と同じように深夜に帰ってくることが多いのか、よくネコが居る。またいつもの、少し太り気味の大きなネコがスヤスヤと寝ていた。

エンジンを切る。ウインドー越しに、丸かったはずのそいつが首をもたげてこっちを見ているのが分かる。

「うぅっ、見つかったか!」

僕は動きを止めて呼吸を殺しに掛かる。それでもジッとこちらを見ている。そう言えば「志賀の穴コーナー」の写真もしばらくアップしていない。咄嗟に手にしたカメラ、僕は外に出てヤツを被写体に近づいていった。

ヤツは動かない。おそらく寝ぼけているのだろう。今がチャンスだ!僕はシャッターを切る。フラッシュがヤツの両目に反射する。この光景を遠くから見た人は、単なる車マニアが珍しい車を見つけて撮っている、くらいにしか想像できないだろう。しかし僕は、午前3時にネコを撮っていた。

またおとなしくなったネコに「邪魔してごめんな」と手を振り、僕は自分の住む棟に歩いてゆく。ふと、車に忘れ物を思い出した。その一瞬に遠くのそこからさっきの車を見ると、もうアイツは居ない。「悪いことをしたな……」せっかくの安眠を妨げた、写真撮影というエゴに反省しながら僕は、TVRのテール後方から運転席へとキーレスエントリーを向けドアを開ける。

その電子音に驚いて、迷惑そうにこちらを向いた

さっきのネコが、僕の車のボンネットに丸くなっていた。


※本日のカウントダウン・ダジャレー男爵志賀 〔今年もあと『12』日……〕
【もちろんその姿は、写真に収めました 近日アップ、乞うご期待!】

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