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■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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行きつけの店にお気に入りの席、好む酒があれば、至上の時である。

店「志賀」の構成はカウンター9席、ソファが4名、6名席、補助に使うオットマン代わりに、天童木工製の肘掛けイスと柳宗理のバタフライスツール2つがある。もちろん僕の店に於いて、それらをフル活用することは年に数えるほどしかない。オブジェと化しているそのスツールは、密かにカウンターを見守っている。埃が付かないように拭いてやることは当然の日課だ。

そもそも良いバーというモノはカウンターから席が埋まる、と言われている。酒を堪能する、それを作る姿を眺める、そしてバーテンとの会話を楽しむ、それらを満たすのはカウンター席に他ならない。そしてカウンターに力を入れていない店は、実は手抜きである。何も大理石やガラスの天板を使え、スポットライトを照らせと言っているわけではない。肘を置ける高さ、グラスを置いたときの音の跳ね返り、温もり……それには「木」、出来れば無垢が理想的だ。

合板や輸入木材(ex.インドネシアなどに多い、ブビンガ)は、見た目に厚みは出せても軽薄な音で判る。高価だが、よく磨かれたマホガニーなど理想的だ。チェリーウッドも捨てがたい。とにかく、カウンターでその店の力の入り具合が解るものである。ちなみに「志賀」は米松の無垢、大人4人でも重く持てない。

そんな流れで言えば、カウンターから埋まるはずのバーで、なぜか近年ソファからお客様が座る店が増えた。スターバックスじゃないけれど、それはカフェ(所謂深夜も食事の出来る、酒類を伴った)らしき店の出現に因るところが大きい。ゆえに、そこで働く人、オーダーを作る姿にはあまり興味がない人が多いのだろう。オープンキッチンが流行ったとしても、ずっと見ている人はいないものだ。

僕の店を知らない人にとっては解りにくい話だが、一番奥のソファ席はいかがわしい。 だから人数が多いという理由以外は、そこに座る人の目的は僕の中でははっきりしている。密談がある・女性を口説く・イチャイチャしたい・有名人である、まぁそんなところだろう。しかし何だか堂々としてなくて変だ。初めて招かれた家で、いきなりベッドルームに入り込んで出てこない人のようである。

まずはカウンターを知ろう。
さすれば、店の人間と暗黙のコンセンサスも出来る。

ベッドインする前の儀式を怠る男は、プレイボーイとは言えない。おほほ。


※本日のカウントダウン・ダジャレー男爵志賀 〔今年もあと『34』日……〕
【寒いということを言わないでおこうと思いながらも、出会う人出会う人の会話には、近頃いつもそれは付きまとう しかし店に来た北海道からのお客様が、店に来るなり「寒い!」と言った 僕等がそう言うのも仕方ないか】

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