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■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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色んな方のご協力のお陰で、なんとか風邪の具合も小康状態である。ここでまた、気を抜いて素っ裸でイケナイ事をしては身も蓋もない。残念ながら、週末はおとなしくすることに決めた。

金曜の朝、マンションの家庭ゴミが出せる時間にはもう家を出ていた。ほとんど何も食べずのここ数日だったため、近くのコンビニで温かい缶入り、つぶつぶコーンスープを買う。こんな状態でもなければ滅多に飲まないものである。これは缶製品全てに言えることではあるが、本来陶磁器などに入って食す(飲む)ものであるこれらは、やはりゆっくり座って味わいたいものである。

僕は、猫舌ではない。よって「熱いものは熱いうちに」の原則を忠実に守ることが出来る。これは神が僕に与えたもうた特権とも言える。少なくともそうではない人よりも、おいしくアツアツを口にすることが出来る。猫舌の人には、このコーンポタージュは辛いはずである。冷めるとおいしくないから?いやこの場合はそうではない。つぶつぶが底に溜まって、最後まで食べられないからである。まぁそんなことは缶を振らない奴が悪いわけで、どうでもいいことである。

温かいに越したことはないが、冷めても美味しい料理は凄いと思う。偏見で、ただ無知なようではあるが僕はその部分で「和食」が秀逸だと思っている。冷めても美味しいものが非常に多い、日本の弁当文化は素晴らしい。つまり裏を返せば、やむなく冷めてしまってから食べた料理がおいしくない、そんなものを出す和食の店(最近では和風創作料屋が多いが)は評価が低いのである。しかし前述通り、冷たくなるまでそのままにしておくことがない僕には、それを知る舌がない。(ちなみに小さい頃アメリカの漫画で、冷蔵庫から出したピザの一片を頬張る主人公の姿を見てなんとも旨そうに感じたものだが、今思えばあれはマズイ)

甘いモノが苦手な菓子職人が意外と多かったり、酒の飲めないバーテンも存在する。出されたものを一気に食べきってしまう僕よりも、猫舌でゆっくり食べている人の方が、実は本当の舌を備え、いい店をご存知なのかも知れない。

雨で極端に静かな金曜日、店の横の路地には盛りのついた猫の声が聞こえる。しかし、彼らが舌舐めずりのために僕の店のすぐ近くを選んだということを、「この店はいい店なのかニャン?」と猫なで声を出して喜ぶほど、単純なニャンパラリンではない僕であった。


※加納町志賀の『たまに吐くならこんな店!』
【ほんまに吐きそうなので割愛】


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