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■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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ほんと過ごしやすくなったし、昨日は大きく丸い月がオレンジ色に見えて、秋を感じさせてくれた。好きな季節である。

よくよく、よ〜く考えてみると、あんまり「BARとは…」とか「店であったちょっとイイ話」なんて、店に関係する話はあんまり書いてない気がする。シーズンに入ったから、またラグビーの話も必然的に書いてしまうわけで、今の内にBAR店主らしいことも残しておこうかと思う。

店の人に気に入ってもらえれば、何かと都合がいいものだ。違う女の子とそこに行っても何も言わないし、「いつもの」と言えばそこにはお気に入りのドリンクが自然に登場する。その人の意中の相手と判ったなら、上手く演出もする。店に立つ人も、好きなお客様が喜ぶ顔を見て嬉しくないわけがない。店の人間を味方にする、そんな方法を知っていても損はない。それは、こうすれば気に入って貰えるなんてものよりも、「これをしてはイケナイ」ことを覚える方が簡単である。ほんの一例を書いてみることにしよう。

若い人にありがちな注文がある。とにかく彼らに主・述・接続語はない。名詞すらはっきりと言わない。皆さんにこの注文が解るだろうか。(これで「ハイ」と注文を受けてしまう店側にも問題があると思うが)「ディタグレッソ」……これは「DITA」という名のライチのリキュールを、グレープフルーツジュースと炭酸(ソーダ)で割ってくれ、ということであるらしい。おまけに「チョイソ」なんて言ってくる(「チョイと、お前さん!」ではない)。僕はいつもそんな時、「少しソーダを入れてくれということですね」とご丁寧に聞き返す。

まぁ、そんなことがあるからカクテル名というものが存在するわけだが、さっぱり分からないカクテルの名前を言われたときには困ったもんである。昔ホテルでバーテンをやっていたとは言え、カクテルなんて何千とあるし忘れてしまってるものも多い。そして毎日のように新しいリキュールやカクテルが生まれている。少なくとも店の数だけオリジナルが存在するわけだから、言われても分からないものは当然で、そんな時はお客様に「それはどんな味で、色で、甘さは、アルコールの強さは……」とお好みを聞く方が楽だし、潔い。

僕もそうだったが、20歳代前半の頃は覚えたことを言いたいもので、それがカッコイイと思う時期なのだろう。食事をする場所でもそのようだが、店の人に提案してもらう方が楽だと、歳を取るほどに気付く。そうやって本当に自分の好きなものが解るようになるものだ。おまけにその方が、店の人とも仲良くなれる。一石二鳥である。(イッセキニチョー、ほとんど死語やな)

金曜日、見た目かなり若い、初めて来た女性がこんな注文をした。

「アマイの、アマイの、ウスイの、ウスイの」

お前は、間寛平か!!


※加納町志賀の『たまに吐くならこんな店!』
【……とは、思っていてもさすがに言えず「甘いカクテルでアルコール弱めがよろしいのでしょうか?」と聞き返したが、「はい、少し甘めでフルーティで弱めでお願いします」と彼女はしっかり言った なんや、ちゃんと言えるやないか 最初から言えばいいものを、それを聞き返す大人が少ないのやな、多分 今時のオッサンは、若い浜アユ(浜に川からなぜか流れ着いた稚魚・鮎ではない、念のため)みたいな女の子を目の前にしたら「うん、薄くて甘いのね、わかりまちた」と流してしまうのだろうな カワイかったから僕もそうなりそうだったけど、浜崎あゆみはタイプじゃない(そんな問題ではないか)】


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