www.bar-shiga.com
■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
ホーム >>>
8/27「神戸・映画、長すぎるけど許してね」 バックナンバー >>>
日曜はせっかくのBBQのお誘いを断ってしまう。理由は明確「やることがたくさんあったから」で、決して人見知りをしてしまう内気な性格だからだとか、カワイコチャン(死語)との二人BBQがある、などというナイスな野暮用(死語)ではなかった。何せ日曜は、会社案内の手直しとか、過去のロゴ作品サンプル集の製作とか、データ入力・調整、なぜか企画書までも書くという、何だか訳の解らない職種&人格「何者?」で、家に缶詰だったのだ。お誘い下さった皆様、申し訳ない。お肉は一杯食べられましたか?

26日の月曜、まだ銀行も開いてない時間に、僕は朝から働いた。今日はリフォームデザインに携わったI邸着工の日だ。構想一年(ただ僕がさぼってただけか?)掛けてこの日を迎えた。朝の神戸は、またかなり日差しが強い。しかし、早起きしたお陰で時間が一杯ある。久々の贅沢な気分だ。

無事工事が始まり、そこから銀行。印刷会社にての打ち合わせ後、昼食は震災前に行った以来の生田川「斉元(昔は漢字、今はさいもと)」でお好み焼きとそば焼きのフルコースを食す。たまらん。あの頃のまま、ドリンクを買ってから入るスタイル、好みで付けてくれる辛子味噌?も健在だ。凄い店やな、また来よう。

店に着いた夕方、少し寝ようと思ったら久しぶりに来ていた昔の「玉」常連がいて、誘われてしまう。そのまま勢いで玉突き屋に入る。眠い。そういえば僕は日曜から月曜の朝方まで、色々ごそごそ(もぞもぞではない)やっていたな。眠すぎる。その後30分ほど寝たけれど、まだ眠気が…。こんな日はお客様と話すに限る。つまり、暇な方がいい。

案の定、店は静かだがいい話が聞けた。
神戸に詳しい方にしか解らない話だが聞いて欲しい。

元町大丸から東一帯は「旧居留地」と呼ばれ、その敷地内にブティック・ブランドショップが建ち並ぶ。おそらく、本館以外にこれほどの街並み・店舗を持ち、駅からの地下道のない百貨店は類を見ないはずである。12年ほど前に神戸にやってきて、これほどまでに不親切な百貨店は初めてだった。僕の生まれた京都には、高島屋・大丸・阪急、そして京都ならではの藤井大丸、そのすべてに地下道が連結していて、阪急電車や地下鉄の駅からは至便だったものだ。

でも、住んでみて思った。傘を差しながら歩く街並み、少々不親切な動線の店構えも気にならない。地下道がそこに無くたって、僕は勝手に「傘の似合う街」だと思っている。大丸を後にし、そのまま東に歩いてみよう。ウインドウショッピングを楽しむのもいい。程なく、旧さくら銀行神戸営業部(現在三井住友銀行)が見えてくる。前に小説でモチーフにしたのがこの銀行である。(変態小説家【ハードボイルド編】最終章参照)

東京から久しぶりに帰った鎌田くんが、こんな話をしていた。「統合される前には、あの銀行の南側のちょっとした広場で、いつも日曜日、アーティストに貸し出してイベントやってたのにねぇ」三井住友になってからというもの、そのイベントは途絶えたようだ。確かにあのエントランスはいい。銀行に入るのにドキドキする緊張感が滲み出ている階段もある。

僕はこんな話をした。「映画発祥の地神戸に、大きな映画館欲しいよね」シネマコンプレックスとは違った大画面があれば、雨に日も晴れの日にもわくわくしながらお客様は集まってくる。昔、映画ってのはドキドキしたものだ。

たまたま鎌田くんが今年、神戸の夏のイベントを運営した団体に所属していて、大盛況の内に終わったそうだ。まつりの統一感がない神戸で、ならではの祭(6/28「祭囃子が聴こえる」参照)、そんな歴史の一頁になった。そして僕が来年のそのイベントで提案したいもの、それは「神戸・夏、大スクリーンで観る映画の夕べ(古くさいがそんな感じのネーミングで)」である。

僕が京都に住む、まだ小学校低学年の頃、僕達の住む父の新聞社の社員寮(4階建てだったと思う)に白いスクリーンが張られ、夏の地蔵盆(そこではそう言った)の恒例・映画上映会があった。多分、怪獣映画が多かったように思う。記憶にあるのは千葉真一主演?の半魚人が一杯出てくる子供には怖い映画だった。

祭は地元の人間が楽しむばかりでなく、地方の人々が挙ってやってくるものであって欲しい。神戸でのそのイベントの謳い文句として、その銀行の正面玄関に大きなスクリーンを設置して、映画を上映したら……僕はそんな話をした。そうだな、夕方暗くなり始めたら子供と家族の観るジブリ系映画を、夜9時くらいからは「ニューシネマパラダイス」なんていい。黒澤もいいな。スティーブンキング原作の「ショーシャンクの空に」「IT(イットと読む、子供が出てくるちょっと怖い映画)」……そこで観たいなぁ。

映画の話はいつも長くなる、申し訳ない。でも大義名分「映画」が生まれて、アーティスティックな街神戸だし、そんなイベントを楽しみにしたいよ。「お父さんの小さい頃はね、あの映画がやっててね……」と、僕が語るには遠い話だが、そんな会話のある家族が、その時だけ立ち上げられる大スクリーンの前のあちこちにいる……語り継がれる映画はやっぱり「わくわく」じゃないとねぇ。


※加納町志賀の『たまに吐くならこんな店!』
【今日の日記に書いた企画、代理店にパクラレたら、訴えてやる!】


Copyright@Toshiya Shiga. All Rights Reserved.
Send Mail to Shiga